岸田文雄首相は1日、衆院本会議で行われた代表質問で、2025年の大阪・関西万博について「万博の成功を目指して、来年4月からの開催に向けてオールジャパンで着実に準備を進めてまいります」と述べた。日本維新の会の馬場伸幸代表の質問に答えた。

大阪・関西万博をめぐっては、能登半島地震の被災地の復旧・復興を優先するため、延期や中止を求める声が出ている。

一方、共産党の志位和夫議長は「万博に建設資材や重機、マンパワー、巨額の税金を使っている時か、能登半島地震の復旧・復興こそ最優先、という声が広がるのは当然と考えませんか。この期に及んで、カジノのための万博にしがみつき、限られた資源を、半年でつぶすパビリオンなどに費やすべきではない」と、指摘。「万博はきっぱり、中止の決断をすべきだ」と求めたが、首相は「(万博開催で)能登半島地震の復興に支障が生じるという情報には接していない。万博の延期、中止の必要は認識していない」と述べ、志位氏の要求には応じなかった。

大阪・関西万博をめぐっては、高市早苗・経済安全保障担当相が先月16日、開催の延期を首相に進言したことが分かっている。高市氏は、首相の判断には従う意向を示している。