首都圏を直撃した大雪の影響で、東京都心と台場・臨海副都心とを結ぶ新交通システムゆりかもめが5日午後9時ごろ、新橋~汐留駅間での車両点検の影響で、運転を見合わせた。

豊洲駅を出発した列車が、午後8時50分ごろにお台場海浜公園駅、同9時過ぎには汐留駅をそれぞれ通過。終点の新橋駅に向かっていたが、同駅目前でストップした。先頭車両が、やや左方向に傾き、乗客の間に不安が漂う中、車両に駅係員2人が乗り込んだ。

1人が運転席に座り、乗客に「(軌道上に)ポイントがありますので車両が大きく揺れます。お立ちの方は手すり、つり革などにつかまってください」と呼びかけた。その上で、手動運転に切り替えて坂を何度か上ろうとしたものの上れず、車両は何度も揺れた。

そして同20分過ぎ、車両点検のため運行を見合わせること、復旧には時間がかかる旨の車内アナウンスがなされた。約250人の乗客は最後尾の車両から順次、降車。雪が積もって、やや凍った軌道の上を歩いて汐留駅まで避難し、帰途に就いた。

ゆりかもめには、観光で日本を訪れた外国人客も多数、乗車していた。軌道上で、左に傾いた先頭車両に乗車していた子ども連れの乗客は不安そうな表情を浮かべていた。一方で、スマートフォンなどで車内を撮影したり、中には軌道上に降車し、新橋駅まで歩く様子を生配信して盛り上がっている若い乗客もいた。

駅係員は「新橋駅手前の上り坂に雪がたまり、上ることができなくなってしまいました。怖い思いをさせてしまい、申し訳ありません」などと乗客に事態を説明し、謝罪を繰り返した。関係者によると、過去も降雪がひどかった際、この日と同様の事態に陥ったことがあったという。【村上幸将】