衆院予算委員会は29日の理事会で、2024年度予算案を3月1日に採決する日程を小野寺五典委員長(自民党)の職権で決めた。

与党側は、1日に衆院予算委員会で岸田文雄首相が出席しての集中審議と、その後の締めくくり総括質疑を経て採決し、その後の衆院本会議の採決で衆院を通過させ、参院に送る構えだが、自民党派閥の政治資金パーティーをめぐる裏金事件をめぐる政治倫理審査会(政倫審)が行われているさなかの強引な日程の運び方に、野党は強く反発している。

立憲民主党、日本維新の会、共産党、国民民主党の野党4党は国対委員長会談で、1日の採決は認められないとの認識で一致。立民は、予算委員長や議運委員長の解任決議案提出も視野に徹底抗戦する構えだ。

予算案は憲法の規定で、参院送付後30日で自然成立することになっている。1日に参院に送付すれば23年度内の成立が確実となる。

立民の安住淳国対委員長は「『自分が政倫審に出て泥かぶったんだから、お前ら、強行でやれ』みたいなことを、上に立つ人がやったんじゃないかなと思って、疑っている」と指摘し、23年度内の予算成立を確実にしたい岸田首相の意向が、この強行日程に働いたのではないかとの見方を示した。その上で「そうだとすれば、最低の総理大臣だ」と、吐き捨てるように怒りをにじませた。

1日に予定通り予算委員会が開かれれば、裏金事件をめぐり安倍派幹部4人が出席する政倫審と「同時並行」という異例の対応となる。野党からは「自民党が政倫審の審議を軽視している証拠だ」と、怒りの声も出ている。