立憲民主党の蓮舫参議院議員は4日の参院予算委員会で、新藤義孝経済再生担当相や自民党の茂木敏充幹事長が、領収書を公開する必要がある国会議員の関係政治団体から、公開の必要が格段に緩くなる「その他の政治団体」に、多額の資金を移して「裏金化」しているのではないかとの疑惑を指摘した。

茂木氏は茂木派会長で、新藤氏は茂木派の事務総長。蓮舫氏は「『茂木派方式』なんじゃないですか」とも指摘。岸田文雄首相に真相解明を求めた上で、新藤氏の直近3年の帳簿の同委員会への提出を、予算委員長に求めた。

蓮舫氏は進藤氏に対し「透明性とは真逆な会計処理がなされている」とした上で、10年で約2億6000万円が関係政治団体から「その他の政治団体」に移されていると指摘。「自民党総支部の経費を限定的にして、それで明細開示率は99・1%、透明化されている。でも『その他の政治団体』新藤義孝後援会に10年で2億6000万円を付け替えたら、明細開示率9・8%まで低下している」とした上で「政治資金の隠蔽(いんぺい)じゃないですか」と主張した

新藤氏は「隠蔽」の表現に「冗談じゃない」と反発。「隠蔽といわれるのはどういうことですか。隠蔽をしてると言われたらそれは冗談ではないと言いますよ」と述べ、審議が一時止まる場面も。再開後、新藤氏は「表現がよくなかったことは気を付けたい」とした上で「使ったものを積み上げて報告している。収支報告に出しているのを隠蔽と言われるのはいかがなものか」と反論。蓮舫氏は「使い道を分からなくしているからおかしい」と指摘し「身の潔白を証明する方法」として保存義務のある直近3年間の帳簿公開を求めたが、新藤氏は「法律にのっとって対応したい」と述べるにとどめた。

一方、蓮舫氏は茂木氏についても、茂木氏の関係政治団体から、別の政治団体に2022年までの10年で約3億2000万円が移されていたと指摘。「金を出した側の事務担当者、受けた側の事務担当者も同一人物。一体で運用して金を付け替えて見えなくさせ、第三者から、正確に使われたかどうか所得にしていないか、私的流用していないか、確認することが一切できない処理をしている、合法だけど脱法。法律の抜け穴ではないか」と訴えた。

「茂木派には派閥パーティーの裏金疑惑はなかったが、法の抜け穴を使って裏金をつくっているのではないか。『茂木派方式』なんじゃないですか」として、岸田首相に調査を要請。首相は「まずは指摘された議員が丁寧に説明することが重要。そのことで(蓮舫氏の)指摘が本当かどうか、明らかにしていくことが重要だ」と述べ、新藤氏だけでなく茂木氏も自ら説明の必要があるとの認識を示した。