国際弁護士の樋口一磨氏は27日、テレビ朝日系「大下容子ワイド!スクランブル」(月~金曜午前10時25分)に出演し、ドジャース大谷翔平投手(29)が26日に表明した元通訳、水原一平氏(39)の違法賭博疑惑をめぐり、水原氏が当初、異なる説明をしていたことに言及した。

水原氏は、違法スポーツ賭博の借金返済で大谷の銀行口座から450万ドル(約6億7500万円)を盗み送金したとされる。大谷は会見で、自身がスポーツに賭けたことはなく、水原氏のギャンブル依存や借金は20日の開幕戦直後のミーティングで初めて知り、勝手に自身の口座から違法ブックメーカーに送金されたと説明。水原氏が「みんなにウソをついていた」と指摘したが、水原氏が大谷の口座にアクセスした方法や、なぜ今まで気付かなかったなどには触れず、疑問点は残ったままになっている。

一方、水原氏は当初、米ESPNの90分間の取材に、大谷に借金の肩代わりを頼み「2人でブックメーカーに送金した」などと、大谷が自身の賭博への借金を知っていたと説明し、その後、撤回している。

元衆院議員で実業家の杉村太蔵氏は「会見で大谷さんは、彼(水原氏が)がうそをついていたと何回か言っている。水原氏側からすると、全責任が彼にあるという状況。いま僕が知りたいのは、この(26日)の大谷選手の声明を、水原氏は100%受け入れるのか」と問題提起。「おっしゃるとおり私が悪かったといえば、すべて終わるが、水原氏も場合によっては弁護士をつけて一部戦う可能性もどこかで残っている。そうなると、この問題は長引いてしまう。水原さんは大谷選手の声明を聞いて、どういうあなたの声明を出すのか。いちばん(情報が)ほしい」と述べた。

これに対し、樋口氏は「可能性もありますね」と応じ「大谷選手の言う通りですと言って終わるかどうか。実はもうひとつクリアすべき問題がある」と指摘し、水原氏が当初ESPNの取材に応じた際の発言内容を念頭に「水原さんはその前に撤回した発言があるが、(撤回後の主張は)それと完全に矛盾している。いまは大谷選手と水原さんが同じことを言っているから、普通であればそこで完結するが、その前に水原氏は違うストーリーをかなり具体的に語ってしまっている」と述べた。「(それがうそとすれば)なぜそんなうそをついたんですかという合理的な説明を、なにかしら水原さんができると、全部スッキリする」と解説した。

杉村氏が「(当初の発言は)保身のために語った内容とは思えないということですか」と指摘すると、樋口氏は「私自身は、個人的にはあり得るとすれば、保身だと思います。だからうそをついた、ということは(保身のための)合理的な説明ですよね。そこまでするとつじつまが合う」とも指摘した。