米ニューヨーク州の最高裁が25日、服役中のハリウッドの元大物プロデューサー、ハーベイ・ワインスタイン受刑者(72)の性的暴行事件について、2020年の1審での有罪判決を破棄し、再審を命じた。証人尋問が公平ではなかったと判断されたことが理由だという。

同受刑者は、複数の女性からセクハラや性的暴行を告発され、18年に逮捕。20年に性犯罪と強姦(ごうかん)罪で有罪となり、禁錮23年が言い渡された。

現在、ニューヨーク州の矯正施設に収監されている同受刑者は、合意のない性行為はなかったと否定し、無罪を主張している。

有罪判決が覆ったものの、同受刑者はこの事件とは別にカリフォルニア州での裁判でも有罪になっているため、釈放はされず、服役を続ける。

アカデミー賞を受賞した「恋におちたシェイクスピア」(98年)や「英国王のスピーチ」(10年)「グッド・ウィル・ハンティング/旅立ち」(97年)「ギャング・オブ・ニューヨーク」(02年)など数多くの作品を手がけてきた同受刑者は、ニューヨーク・タイムズ紙の調査報道がきっかけで100人近い女性から性被害を告発され、#MeToo運動のきっかけを作ったことで知られる。

被害者の中には、女優グウィネス・パルトロウやアシュレイ・ジャッドら著名女優も含まれており、ハリウッドに大きな衝撃を与えた。(ロサンゼルス=千歳香奈子通信員)