政治ジャーナリスト田崎史郎氏は9日、TBS系「ひるおび」(月~金曜午前10時25分)に出演し、岸田文雄首相が今年6月の国会会期末に衆院解散・総選挙に踏み切る可能性が指摘されていることに「可能性はある」と言及した。

少子化対策や経済対策への批判などに加え、自民党派閥の政治資金パーティー裏金事件を受けて、支持率が下がる一方にもかかわらず、解散の可能性が指摘されている岸田首相。裏金問題で自身が処分対象から外れたことをめぐり「最後は国民と党員のみなさんに判断いただくのが、自民党総裁としての立場だ」と述べたことも、その見方を強める一因になっている。

田崎氏は「6月解散」の臆測について「可能性はあると思います」と指摘。「小泉(純一郎)さんの2005年の郵政解散の時、(解散には)閣議決定が必要だったが、反対した大臣がおり、小泉さんは個室に呼んでこんこんと説得した。(最終的に)1人だけ反対で、罷免した上で解散した」と、小泉氏の並々ならぬ執念を回顧した上で「だから、岸田さんがやろうと思えば(解散)できる。僕はやろうと思わないことを望んでいるが、分からない」と述べた。

小泉氏の郵政解散を念頭に「あの時も、解散したら政権を失うのではないかというふうに、当初は思われた」と指摘したが、結果的に自民党は圧勝した。田崎氏は「総理が決断したらできるのが解散だ」と強調した。

低支持率で自民党総裁選再選もあやういといわれる首相だが、田崎氏は「内閣支持率は非常に低いが、派閥解散なり今回の処分なり、自分になりにやっていることはやっているんだと。何も間違っていないと。やらなかったら支持率はひとけたになっていると。おれがこれだけやっているから、これくらい(で済んでいる)という発想。そこが我々の発想との違いです」と指摘。6月解散の可能性は「3割くらい」とも述べた。