特定の候補や陣営による他候補への「妨害行為」が問題となっている衆院東京15区補選(4月28日投開票)は27日、選挙戦最終日を迎え、各候補が最後のお願いに声をからした。

深刻な妨害行為を受けてきた乙武洋匡氏(48)が開いた東京都江東区の大型施設前での街頭演説では、選挙カーが停車した道路が一部分「封鎖」され、鉄柵が幾重にも設置されたほか、警察官やSPら警察関係者が40人近く配置され、超厳戒態勢のもとで行われた。

この日は小池百合子都知事や、国民民主党の玉木雄一郎代表、江東区の大久保朋果区長も応援に入り、いつになく警備体制が強化された。

近くの幹線道路や周辺から選挙カーのある場所には近づけない状態で、この場では乙武氏や陣営への妨害行為は行われなかった。

小池知事は応援演説で、16日の第一声の場で、特定の陣営から大音響でヤジをとばされるなどの行為を受けたことを振り返り「怖かった。何が起きるのかと。30年くらい選挙にかかわってきたが、身の恐怖を感じたあんな選挙は初めてだった」と振り返り「今日はありがたいことに、この場では、ようやく政策をお伝えし、乙武さんの話を聴くことができる」と述べた。本来であれば普通の街頭演説の雰囲気が戻った中で、今回の選挙戦の異常さをあらためて振り返る形になった。

同補選には、NHKから国民を守る党の福永活也氏、参政党の吉川里奈氏、無所属の秋元司氏、日本維新の会の金沢結衣氏、つばさの党の根本良輔氏、立憲民主党の酒井菜摘氏、日本保守党の飯山陽氏、無所属の須藤元気氏も立候補している。