石破茂首相は10日の参院予算委員会で、「高額療養費制度」の今年8月からの負担上限額引き上げを、迷走の末に見送る方針を決めたことについて、参院選後に「強行」するのではないかと指摘され、「強行することはしない」と、明言した。

立憲民主党の徳永エリ議員の質問に答えた。

政府はこれまで、8月の引き上げは実施するとした上で、来年8月以降については再検討し、今秋までに方針を決めるとしていた。しかし、患者団体や与野党の批判を受けて、25年度予算案が衆院を通過し参院の審議が始まった直後に方針転換した。今夏の参院選を控えた参院の与党議員からも見直しを求める声があり、野党は「選挙目当て」と批判している。政府は今秋までに新たな方針を決めるとしている。

徳永氏は、こうした流れを念頭に「(見送りは)与党の党利党略で、参議選への影響を考えて、いったん凍結したのではないかと報じられている」と指摘。患者が「選挙が終わったら、今回と同じような引き上げ案が出てくるのではないか、今度は強行されてしまうのではないかと心配している」とも述べ「強行はないと明言していただきたい」と迫った。

これに対し石破首相は、参院選をにらんだ対応との指摘について「それは報道が言っていること」とした上で「そのようなことはいたしません」と述べた。「プロセスに行き届かなかった点があったことは深くおわびを申し上げる。私どもは、選挙目当てでこのようなことをやることもないし、強行することもしない」と、理解を求めた。

「患者の方が不安を抱えたまま、見直すことはあってはならないと反省している」とも述べ、「謙虚に意見を聴きながら、不安を抱えている患者やそのご家族に理解をいただくべく最善を尽くしてまいりたい」と述べた。