国民民主党は11日、今夏の参院選比例代表に擁立を予定していた山尾志桜里元衆院議員(50)の公認内定を取り消した。この日、断続的に開いた党会合で、最終的に決めた。
山尾氏は10日に出馬会見をしたばかりだった。しかし、2時間半の会見で、質問は議員時代の2017年に報じられた不倫報道に集中。山尾氏は、当時、報道陣の質疑に応じなかったなど取材対応について「8年前の自分の行動と対応の未熟さを、おわび申し上げます」と謝罪したが、不倫報道の事実関係は「今、新しく言葉をつむぐことはご容赦をいただきたい」「いろいろな思いの方がいる」として真相は語らずじまい。報道陣から「きちんと説明してください」「納得できない」など、厳しい指摘が寄せられていた。
山尾氏は8年前の会見で答えた「そうした事実はない」と、現在も同様の心境とし「指摘された方と私生活、仕事で現在、特段交流はない」と述べ、謝罪の言葉を繰り返したが、負のイメージ払拭には至らず、国民民主の党勢拡大がかかる戦いの行方に大きな不安を残していた。
山尾氏の擁立は、衆院初当選同期の玉木雄一郎代表が打診した。山尾氏の立候補が報じられて以降、上昇傾向だった国民民主の政党支持率は下落に転じた。山尾氏は「自分に一因があるのだろうと。申し訳なく思う」と話し、自身への批判は「想定以上だった」と述べた。
会見で、党の公認取り消しの可能性を問われても「(出馬決断は)悩んだが、決めた以上、辞退はしない」と言い切ったが、わずか1日での方向転換となった。
山尾氏に出馬を打診した玉木氏は11日夜、国会内で取材に応じ「有権者や仲間、支援者の理解を得られるに至っていない。一丸となって体制を整え直すということで、この決断に至った」と述べた。「政策能力に大きく期待をした。過去に取り上げられたことはあるが、どんな人にもチャンスを与えるのが、私たちの政治姿勢。ただ正直、有権者や全国の仲間や支援者から十分な理解、信頼が得られないと判断した」と述べた。
自身の責任については「私にも責任がある。批判は真摯(しんし)に受け止めたい」と語ったが、山尾氏擁立に対する世論の「評価」を見誤っていたのではないかとの声もあり、今後も責任が問われそうだ。公認内定見送りの決定は、事前に山尾氏側に伝えたという。
山尾氏は東京都内に事務所を開設。会見では、「安全保障と人権保障の両立」など選挙戦で訴える政策チラシを制作し、街頭にも立つ準備を進めていた。一方で「殺害予告」も複数受け、警察に被害届を提出するなど、自身の周辺も混乱が続いていた。
勝負の場となる参院選を前に、国民民主にとっても「目玉候補」のドタバタ撤退劇は大きな打撃となってしまった。【中山知子】

