JR東日本秋田支社の「TOYOSHIMA FARM(トヨシマ・ファーム) モニターツアー」に参加した。鳥海山のふもと、秋田県由利本荘市は矢島地区でワインの製造を手がける同ファームは、豊島昂生(こうせい)代表(35)が昨年10月にワイナリーも開業した。新たな観光資源として注目される。また、鳥海・矢島地区の魅力度アップとJR羽越線の利用促進を図る、秋田支社の伴走型地域づくりの一環として企画されたツアーの目玉にもなる。
秋田から羽越線酒田行きの汽車に乗り、羽後本荘に向かう。途中でふと、「羽後亀田」の文字が目に入った。「カメダは相変わらず」などと発した東北弁をヒントに殺人事件の捜査が動き出す、推理小説作家の松本清張が書いた不朽の名作「砂の器」を思い出した。
人によっては、2004年(平16)にTBS系で放送されたドラマを思い出すかもしれない。記者が鮮烈に覚えているのは映画。松竹系で公開されたのは1974年(昭49)だから、51年も前になる。刑事役の丹波哲郎(故人)と森田健作が手がかりを求めて、羽後亀田へやってくる。そのロケ地でもある。
今でこそ建物が改築されたり高速道路が通ったりしているが、そびえる木や流れる川などの原風景は、相変わらずだろう。今回は停車した時に駅の看板だけを撮影したが、今度は降りて駅舎とその周辺を回ってみたい。舞台設定が変わっても、「砂の器」の人気は変わらない。
また、羽越線の利用促進として最近注目を浴びているのは、「漁船酒」。秋田県にかほ市の金浦(このうら)漁港の漁師が日本酒を漁船に持ち込み、味を変化を楽しんだという逸話から始まった。「酒漁泊一体」をコンセプトに同市の観光素材としてPRしている。3年前には、JR東日本秋田支社でお酒の積み込み体験をツアーで行ったという。
古いものも新しいものも含め、羽越線にはまだまだ掘り起こせる観光要素が潜んでいる。

