米保守系政治活動家が射殺された事件に関する米人気司会者ジミー・キンメル(57)の発言を巡り、深夜のトーク番組「ジミー・キンメル・ライブ!」が無期限で放送中止となっていた件で、米ABCテレビを所有するウォルト・ディズニーが22日、放送再開を発表した。
ディズニーは声明で、「国内の感情の高まりを悪化させないために番組の制作を一時中断した。ここ数日、ジミーと慎重な話し合いを重ねた結果、放送を再開するに至った」と説明。23日からこれまで通り番組を再開すると明かした。
キンメルはウォルト・ディズニーのボブ・アイガーCEOとナンバー2であるディズニー・エンターテインメントの共同会長を務めるダナ・ウォルデン氏と直接交渉し、番組復帰を果たしたと米ニューヨーク・ポスト紙は関係者の話を伝えている。キンメルは23日の番組でこの論争について自ら釈明する予定だが、謝罪はしない意向だという。
キンメルは15日の放送で、チャーリー・カークさんが射殺された事件に関して「MAGA(マガ=米国を再び偉大に)の連中がチャーリー・カークを殺害した若者を自分たちの仲間ではないと決めつけようと躍起になっている」とトランプ大統領の支持者をやゆするような発言をしたことが問題視されていた。米連邦通信委員会(FCC)の委員長がABCの放送免許を取り消す可能性に言及した直後、ディズニーが放送休止を決定。「言論の自由の侵害」だして業界内から非難の声が上がり、政府の検閲を疑う声が上がるなど大論争に発展していた。
ディズニーのボイコットを訴える抗議デモも起きる中、アメリカ自由人権協会(ACLU)も放送中止から6日後に憲法で保障された言論の自由を擁護すると公開書簡を発表。俳優ロバート・デ・ニーロやトム・ハンクス、女優メリル・ストリープら約400人の著名人が署名していた。
一方、ABC系列の地方局の多くを所有するシンクレア・ブロードキャスト・グリープは、系列局全体で同番組を放送しない考えを明らかにしたと伝えられている。23日の放送を中止してニュース番組に置き換える予定だといい、キンメルの番組の放送を拒否している。(ロサンゼルス=千歳香奈子)

