高市早苗首相は16日の参院予算委員会で、先月7日の衆院予算委員会で言及した台湾有事をめぐる発言について「従来の政治の立場を超えて答弁をしたように受け止められた」と述べた。質問した立憲民主党会派所属の広田一議員は発言の撤回を求めたが、高市首相は応じず、再三質疑がストップする場面もあった。

広田氏は高市首相の答弁内容について「(発言後に)『今後の反省点として、あえてケースを挙げましたけど、こういうことは慎ませていただく』という旨の答弁をしている。政府の答弁資料には『台湾有事という仮定の質問にお答えすることは差し控える』と、きちんと書いている。これは政府の『鉄板答弁』だ」と指摘。「これまでの政府はきちんと慎んでいた。高市総理も、答弁の打ち合わせをしているのだから十分理解していたはずだが、なぜ最初から慎まなかったのか」と批判した。

高市首相は「答弁の打ち合わせは私は行っていませんし、今もでございます」とした上で、「存立危機事態にかかる政府見解は先ほど申し上げたとおり。その上で、当日の委員会でさまざまな想定をまじえて議論した結果、従来の政治の立場を超えて答弁をしたように受け止められたこと。これを反省点としてとらえ、今後の国会でのご議論に臨んでまいりたい旨を、11月12日に申し上げている」と述べ、台湾有事をめぐる発言は、従来の政府答弁の立場を超えて受け止められた、との認識を示した。

その上で、従来の政府見解について「維持するのか、しないのか」と迫られ、「維持をさせていただきます」と答えたことから、広田氏は「維持をすると言うことなら、あの発言はどう考えても、撤回すべきではないか」と指摘した。

高市首相はこれに対し、11月7日の台湾有事をめぐる答弁は「台湾の話を委員(立憲民主党の岡田克也元幹事長)から持ち出された上で、さまざまな想定を議論した中で、存立危機事態の認定について述べたもの」とした上で、どのような状態が存立危機事態に該当するかは「個別具体的な状況に即して政府が判断する」という内容について複数回答弁しているとし、「政府の立場は一貫している」と訴えた。

広田氏は「質問に答えていない」として発言の撤回を求めたが、高市首相は「当日の予算委員会でも、従来の政府答弁を繰り返し述べている。その後もずっと、同じようにこれが政府の見解だという旨を述べております」と述べ、「私が反省点と申し上げたのは、それが従来の政府見解を超えるかのように受け止められるのであったら、ということで申し上げた。政府の統一見解は繰り返し繰り返し述べさせていただいており、政府の立場は一貫している」と譲らなかった。

高市首相が答弁した「従来の政府見解を超えるかのように受け止められるのであれば」という部分には、野党から反発のヤジが飛んだ。

広田氏は「答弁を聞く側の責任にすべきではない」と高市首相の主張に苦言を呈し、「私は、高市総理がいわゆる答弁書を棒読みしない姿勢は評価している。高市カラーでもあると思うし、だからこそ高い支持があるのも事実だが、時と場合によってはリスクがあることもぜひとも自覚して欲しい」と、ただした。