大規模災害時に東京の代替となる首都機能を設置する「副首都」法案は22日、参院沖縄・北方問題・地方特別委員会で審議入りした。日本維新の会肝いりで、悲願の「大阪都」構想を念頭に置いた法案なのではないかと野党が厳しく批判する中、この日も法案内容への批判が相次ぎ、立憲民主党の杉尾秀哉議員は「支離滅裂な法律。国会の私物化が過ぎるのではないか」などと厳しくただした。

同法案は、高市早苗首相と維新の吉村洋文代表との間で昨年10月に交わされた「連立合意書」の中で法制化が盛り込まれた。同様に維新肝いりの議員定数削減法案が次の国会以降に先送りとなる中、維新は今の国会での法案成立を強く求めている。ただ参議院で与党は過半数を持たず、成立はまだ不透明な情勢だ。

杉尾氏は質問冒頭、「本法案を通すための会期延長に強く抗議します」とした上で、「この法案はどう見ても維新のための法案。国会の私物化が過ぎるのではないですか。これにお付き合いさせられている自民党も、気の毒に思います」と、皮肉交じりに指摘。答弁に立った自民党の簗和生議員は「いつ大規模災害が起きるか分からない。国としての責務として、早急にバックアップ機能を構築する必要がある」などと、法案の必要性を訴えたが、杉尾氏は「風が吹けばおけ屋がもうかるではないが、副首都を指定したら、なぜ一極集中が是正されるか、この法律を読んでもまったく分からない。筋道が書かれておらず、ものすごく支離滅裂な法律だと思う」と主張。「普通なら(内閣提出の)閣法で出されるが、これは閣法では出せない。法制局の審査を通らないから議員立法で出したとしか考えられない」とも訴えた。

また「副首都と都構想は関係ないのに、自分たちが勝手に関係づけてやっている。しかも2回、住民投票で負けており、今度は同じ理由ではできないから副首都になります、その住民投票をします、と。その住民投票をするために今回の法案を出しているのではないか」と述べた上で、「今国会で(法案を)通さないと、次の臨時国会では住民投票に間に合わないから、今の国会で成立させようとしているとしか考えられない」とも指摘。大阪市の担当部局の人員や予算が大幅に増えているとして、維新側の見解をただした。

答弁に立った維新の高見亮議員は、「大阪府と大阪市の副首都の取組については、府と市の判断で行われている。法案提出者としてお答えする立場にはない」と述べたが、杉尾氏は「維新の会の議員が知らないわけないじゃないですか」として「(副首都推進局の)人員が倍増し、予算が15億円。法案が通らなかったらどうなるのか。住民の税金ですよ」と述べ、「この法案は、大阪都への再挑戦という特定地域の特定政党の政治目的のために利用されているとしか見えない」とただした。

高見氏は「あくまでこの法案は、我が国にとって非常に大事な目的を有するものだ」とし、「要件を満たせばどの都道府県でも手を上げられるような方式になっている。大阪ありきといわれるところではないと承知している」と反論した。