大規模災害時に東京の代替となる首都機能を設置する日本維新の会肝いりの「副首都」法案をめぐり、22日に参議院の特別委員会で行われた質疑で、災害発生時の天皇陛下をめぐる対応をどう議論したのかとの質問がなされ、与党側が「法案成立後の議論となる」と答える場面があった。

国民民主党の山田吉彦議員が、法案の内容をめぐり「日本の象徴である天皇陛下について、どのように議論され、どのようにお考えなのか」と質問。「(天皇陛下は)国事行為をなされます。日本の象徴です。もしも震災が起きた場合、日本人の心の支えになっていただける陛下に対して、どのような議論をされたのか教えていただきたい」と、質問の一つとして問うた。

これに対し、自民党の簗和生議員は「これは、非常に重要なお話と認識していますけれど、ご皇室に関する事柄ですし、事務的には、宮内庁においてこの法案の成立後に、こうした危機管理上の対応という観点から、この議論を深めていただきたい」と言及。「その範囲に、私たちの立場としての答弁は、ここまでにとどめさせていただきたい」と述べるにとどめた。

これに対し、山田氏は「成立後(の対応)ですか。あり得ない。あり得ない」と、怒気を含んだ声で指摘した。その上で「この国で被災、災害が起きた場合、人の心なんですよ。どれだけ災害時に…東日本大震災の時も、陛下が日本人の心を支えたのかも考えないで、災害時の対応? あり得ません」とも言及。山田氏は「バックアップ機能は必要だと思います」と、副首都の機能自体には理解を示しつつ、「ただ、都市をつくるというのは、町をいくつつくるということではなく、心、生活なんですよ」と呼び掛けるように語り、「日本人がどう暮らしていくのか、この短期間で、強引に決めていいのかということを、非常に疑問に感じています」とも訴えた。

同法案は、高市早苗首相と維新の吉村洋文代表との間で交わされた「連立合意書」の中で法制化が盛り込まれた。議員定数削減法案が次の国会以降に先送りとなる中、維新が今の国会での法案成立を強く求め、会期が8日間延長された今の国会で、この日審議入りした。22日の審議では、野党側は「大阪ありきの法案」などとして、今国会での法案成立を急ぐ与党側の対応を一様に批判。衆議院は与党の「数の力」で法案が通過したが、参議院は与党が過半数を持たず、法案の行方はまだ不透明な情勢だ。