高市早苗首相は16日の参院予算委員会で、簗和生前農相の更迭をめぐり、自身の「危機管理能力の欠如」を指摘され、寝ている時もスマホを最大音量にしてそばに置いているとして「そう思われるのは残念。危機管理には私は力を入れている思いでございます」と、強く反論した。
立憲民主党の辻元清美議員への答弁。
辻元氏は「今回(簗氏の更迭の件で)露呈したのは、簗さんの問題とともに、高市総理の決断力のなさ、身内かばいみたいに見えました。もしくは、総理は総理ご自身の『保身』だったのではないかとも感じました」と持論を展開。「総理は、簗さんというより(やめさせることで)自分の内閣が傷つけられたくない、1人辞めるということは自分の非を認めることになる。それが嫌だったし、それが怖かったんじゃないですか。そう見えたんです」と指摘した。
高市首相は「それは辻元委員の感想だと思う。私はそのようなつもりはございませんでした」と、突っぱねたが、辻元氏は「(予算カット)発言の時点で、けじめをつけるべきだと、今なら思いませんか」と、簗氏をめぐり選挙で首長が自身を支持しなかった地元2市町に対する「予算大幅カット」発言をしたとする報道が出た段階で、進退を判断すべきだったのではないかとの認識を示した。これに対し、高市首相は「政治家の発言は、政治家自らがしっかりと説明責任を果たすべき。そしてその機会を与えるべきだと思いました」と述べ、自身の判断の前に簗氏が説明責任を果たすべきだったとの見解を示した。この答弁には、賛否のやじが飛んだ。
一方、辻元氏は「内閣と総理は違います。総理はみんな(に関して)の責任がある。今回、危機管理能力の欠如が指摘されている。簗大臣の問題であると同時に、総理の資質も問われているというふうに、私は思った方がいいと思います」と指摘。「危機管理能力がなかったじゃないか、ずるずるずるずると。この指摘をどう受け止めますか」と、食い下がった。
この質問に対し、高市首相は「危機管理能力がなかったと思われたというのは、とても残念です」と述べ、「24時間、常に公用スマホをそばに置いて最大音量にして、夜も横になっている。国会の危機管理能力、そして災害などが発生した時の対処は迅速にやってきたし、危機管理には私は力を入れている思いでございます」と、力を込めて答弁した。
しかし辻元氏は「(簗氏の問題で)国交省も農水省も大混乱していた。それをちゃんと収められなかったというのは、災害の時に電話を置いていたとか、そんな話じゃない」と、ピシャリ。「そこが分からないというのが、理解できない。今回は自分の決断についても、国民に政治不信を招いたし官僚のみなさんがかわいそう。やっぱり、任命責任ではなく、対処が悪かったと、おわびをしてください」と指摘した。
高市首相はそれでも「大臣就任前の前の政治家の発言は本人はやはり説明責任を果たすべき」との認識を示し、辻元氏は「やっぱりね、素直に、私も決断ができなかったし、問題があったと思うと、昔の高市早苗なら言うてますよ」と、指摘。「総理になっても自然体でいってください。そこは、内閣も行政もきちんと管理ができなかった、自分の決断も遅かったと認めた方がいい」と促したが、高市首相は「まず国土交通省は(簗氏の働きかけの有無の)事実関係を明らかにしました。その段階をふまないと、簗大臣の発言が何か行政に影響したのかどうかが分からない。その上で、本人が説明責任をもっと明確に果たすべきだと簗大臣に言ってきた」と述べ、おわび要求に応じることを拒んだ。

