消防職員を定年まで勤め上げた逗子シニア(南関東支部・南ブロック)有馬弘監督(67)は、チームに関わって30年になる。監督業は27年目。当時は邪道と言われた逆シングルでの捕球を積極的に採用するなど、「改革の人」だ。監督着任時は1点を守りきる野球を目指したが、間もなく方針転換。「練習の9割は打撃。10点取られたら11点取って勝つ野球を目指した。全員が本塁打を打てるような選手にしたいんです」(同監督)。その結果、「打の逗子」の異名は関東でとどろき渡ることに。

監督の選手評も愛情たっぷりだ。伊藤光輝主将(三塁手&抑え投手)には「非常に優秀な子。走攻守すべてにおいて技術的に優れている」と手放しで褒めちぎり、エースで中堅手の廣澤良祐には「変化球のコントロールが抜群。足が一番速いから守備範囲も広い。将来が非常に楽しみ」と話す。守備陣では遊撃手の添田涼太に対して「動作が正確で早く美しい」といった具合。

だが、秋季大会では「普段はやらないミス」が出てベスト16止まり。「修正しつつ、春までにもっと打撃の精度を上げたい」と誓う。