定年を機に、休暇でニュージーランド(NZ)北島のエラズリー競馬場を訪れた。あのホーリックスが走った競馬場というだけで、おじさんは心が躍る。NZで87年から5年間過ごした横山賀一元騎手も騎乗経験があり「1200メートルのG1に乗せてもらって4着。ゴール直前まで先頭で惜しかった。向正面に障害コースがある独特の競馬場です」と思い出を話してくれた。
3月8日はG1が4レース組まれた「チャンピオンズデー」で大にぎわい。みなお酒がたっぷり入って、いい意味でめちゃめちゃ騒々しい。日本のG1デーとは全く違った趣で、お祭りを目いっぱい楽しんでいる。着飾った紳士淑女の装いも楽しませてくれる。
入場ゲートの大看板には日本人ジョッキーの写真が掲げられていた。NZで今季トップ5(3月31日時点で55勝で4位)と活躍中の橋詰大央(まさひろ)騎手。この日はG1・3鞍にも騎乗し、いかに現地の関係者やファンに受け入れられているかが分かる。人気薄のトラヴで挑んだ芝3200メートルのG2オークランドCでは大胆な騎乗でスタンドを沸かせた。18頭立ての最後方から、直線大外一気に伸びて見事な差し切り。単勝21・5倍、複勝5・7倍の穴をかっ飛ばした。
当地では馬場から引き揚げる時に馬の首に花輪がかけられ、大声援を浴びながら花道を歩く。「マサ~!」のかけ声に笑みを振りまく姿に、こちらも誇らしい気持ちになる。馬券は複勝を少々。単勝を買えていれば豪華な食事にありつけたのだが…。
橋詰騎手が乗る馬は全て買い、乗っていないレースはサトノアラジン産駒を応援。海外あるあるですな。サトノアラジンは日本と行き来するシャトル種牡馬。初年度産駒ペニーウェカが23年NZオークス(G1)を勝ち、22-23シーズンの2歳リーディングに輝いた。日本では函館2歳S2着のニシノラヴァンダを出している。
オークランドの中心地から車で約10分と便利な立地。右回りの1周1890メートル、直線380メートルの規模感は、中山競馬場の外回りに似ている。3コーナーの丘が特徴で、上り下りして4角から直線へ。ゴール板過ぎのコーナーに上り坂があって、自然にスピードが緩むようになっている。木立に囲まれたパドックは欧風。ランス・オサリバン調教師を発見! 89年ジャパンC、ホーリックスでオグリキャップとの死闘を制した時は25歳だったが、61歳になってもかっこいい(橋詰騎手への騎乗依頼も多い)。
脇にたたずむボーンクラッシャーの銅像は躍動的で、88年ジャパンCにも来てくれたオセアニアの英雄。お祭りデーでも場内スペースは結構余裕があり、スタンドの無料自由席には難なく座れて疲れない。日本ではこうはいかない。
今週は創設から43回目を迎えるニュージーランドトロフィー。いつになく当てたい気持ちが強まった。
(ニッカンスポーツ・コム/競馬コラム「ケイバ・ラプソディー~楽しい競馬~」)









