先日の宝塚記念は強いメンバーがそろって面白い競馬になりました。直前から降り始めた大雨にも驚かされました。あれも武豊騎手の“引き出し”なのでしょうか(笑い)。
私にとって宝塚記念は、ローテーションを考える中で切り捨ててしまいがちなレースでした。暑くなる時季で調整も難しいですし、ここに使うと秋までの休養期間が短くなってしまいます。それが昨年から2週間繰り上がり、暑くなる手前の開催になりました。天皇賞・春から数えると中7週が中5週と短くなりましたが、状態のピークを維持するという点で考えれば、むしろ適度な間隔になったといえるかもしれません。
クロワデュノールが挑んだ「春古馬3冠」(大阪杯、天皇賞・春、宝塚記念)も注目されました。同じ褒賞金3億円でも、私としては「秋古馬3冠」(天皇賞・秋、ジャパンC、有馬記念)より難しいと思います。秋であれば連戦して疲れがたまっていく中で涼しくなってくれますが、春だと逆にしんどい中で暑くなっていくからです。
ウチの厩舎で「春古馬3冠」を続けて使った馬はいませんでしたが、走らせてみたかった馬を挙げるならヴィクトワールピサでしょうか。何よりタフでしたし、操作性が高かったのでトリッキーな阪神内回りもこなしてくれたと思います。
一方で、開催が早まったことによって、3歳馬の参戦はさらに減ると思われます。ご存じの通り07年にはウオッカがダービーから中3週で出走しました。凱旋門賞へ行くプランがあった中で「負けてもいいから古馬との力比べを見たい」というオーナーのご意向もありましたし、51キロの斤量も魅力でした。結果は8着で、レース自体がうまくいかなかったのはありますが、フランスへの遠征も控えて目いっぱいにつくれてはいなかったのも確かです。
今年はあれだけ盛り上がりましたし、興行としては大成功でしょう。上半期のグランプリにふさわしい一戦だったと思います。
○…角居氏は明日27日に大阪市住之江区のATCで「第6回OSAKAホースフェア」に講師として出席する。テーマは「ホースセラピーが拓く馬と人の未来」で、午後3時から登壇する予定。「年々大きくなっているイベントで、今回は天理大で授業をしているホースセラピーについてお話しします。乗馬や競馬といったジャンルを越えて『こんな世界もあるんだ』と知っていただければ」と呼びかけた。翌28日には和田竜二技術調教師やトラウデン直美も講演を予定している。



