9番人気のミヤギザオウ(大井・森下淳)が直線で抜け出し、南関東クラシック1冠を手にした。これが重賞初挑戦にして初タイトル。羽田盃は真島大輔騎手(38)が初制覇、森下淳平調教師(42)は14年以来の2勝目となった。

逃げ込みを図ったシャルフジンめがけ、直線残り150メートルで後続が押し寄せる。中でも脚色がいいのは最内を突くミヤギザオウ。初コンビ真島騎手の気合に応えて抜け出すと、最後は外から強襲のライアンを首差で封じた。「外の選択肢はなかった。内が開いていたので、真っすぐ走ろうと思いました」と鞍上。大外枠でも内から1冠の道を切り開いた。

森下師は「ここはダービーの権利を取れればと臨みました。ちょっとびっくりしましたね」と喜びと驚きが入り交じった表情。次走はもちろん、当初からの目標だったという6月8日大井の東京ダービー(S1、2000メートル)。勢いそのまま頂点取りへ向かう。【渡辺嘉朗】

<ミヤギザオウ>▽父 パイロ▽母 シルクドレス(ディープスカイ)▽牡3▽馬主 鈴木雅俊▽調教師 森下淳平(大井)▽生産者 絵笛牧場(北海道浦河町)▽戦績 6戦3勝▽総収得賞金 4297万5000円▽馬名の由来 宮城+蔵王(山)

●勝負服

<ライアン=2着>今野騎手 進みがいまいち。だから最後に切れるんだろうけど。(今回は)いいところが出たと思う。

<シャルフジン=3着>御神本騎手 (最後は)手応えがなかったね。馬場の傾向を考えて、押し切れるだけの能力はあると思って乗ったんだけど。それでも粘っているから力はある。

<イルヴェント=4着>岡村健騎手 2コーナーで接触されて、たぶんトモを落とした。それがなかったらもうちょっと面白かったと思う。内枠はよかった。

<リコーヴィクター=5着>笹川騎手 思い描いていた競馬ができた。勝ち馬にうまく乗られたけど、いい粘りの脚を見せられた。心臓の強さがすごい。

<カイル=6着>左海騎手 両脇からぶつけられてリズムが悪くなった。それで伸びきれなかった。距離は延びていいと思う。

<ナッジ=7着>矢野騎手 位置取りはあんなものかな。外々を回らされたのがきつかった。課題も見つかったので、ダービーではどしっと構えて乗りたい。距離が延びるのは歓迎。