国枝栄調教師(67)が2日の函館競馬10R(洞爺湖特別・クライミングリリー)でJRA通算1000勝(重賞61勝)を達成した。史上15人目の偉業となった。メモリアルの勝利を振り返り、データを紹介する。

◆初勝利=90年3月10日の中山10R(千葉日報杯)・リュウカムイ「前走の内容が良かったので、なんとかなるかなと思っていたんだ。まず1つ勝ってホッとしました」

◆通算100勝=96年5月4日の東京3R(未勝利)・シンコウガッサン

◆重賞初制覇=98年4月11日の中山11R(ダービー卿CT)・ブラックホーク「今まで(重賞を)取れそうで取れなかったので余計にうれしい。大きいところを狙いたい」

◆G1初制覇=99年12月19日の中山11R(スプリンターズS)・ブラックホーク「天にも昇るような気持ちです。マイルCSを見て、マイルのG1では勝てないのかなと思った。ノリ(横山典騎手)がこの距離が良いと言ってくれたんだけど、本当に良かった。これで勝てなきゃ(G1勝ちは)また10年先かなとも思ったんだ」

◆通算200勝=01年3月18日の中京8R(500万)・ブラッドオレンジ

◆通算300勝=04年6月13日の東京6R(500万)・ヒシシンエイ「馬主の方の温かいご支援とスタッフの頑張りと、そしてファンの皆さまの温かいご声援でここまで来ることができました。これからも頑張って1つ1つ勝っていきたいと思います」

◆通算400勝=07年1月21日の中山11R(AJCC)・マツリダゴッホ

◆有馬記念制覇=07年12月23日の中山11R・マツリダゴッホ「3番手につけた時点で勝てると思った。今年は年間を通じて好調だったね」

◆通算500勝=09年12月12日の中山10R(南総特別)・ダノンブライアン「馬主さんをはじめ、みなさんの応援のおかげ。これを1つの励みにして成績を伸ばせるように、まだ勝っていない大きなところ、ダービーを勝ちたい。(アパパネで挑む阪神JFを翌日に控え)前祝いというか、景気づけだね」

◆牝馬3冠制覇(1回目)=10年10月17日の京都11R(秋華賞)・アパパネ「周囲から3冠、3冠とあおられていたのでホッとしている。(栗東滞在の調整は)トレセンができた頃は関東馬はみんなこの形で向かっていった。(関東馬が)不振になっているなかで何か手を打たなきゃと思った。馬への負担も軽くなる」

◆通算600勝=12年9月29日の中山9R(習志野特別)・サトノアポロ「いろいろな方々のサポートのおかげです。まだ上には上がいますので、厩舎一丸となってこれからも頑張ります」

◆通算700勝=15年5月31日の東京7R(500万)・アペルトゥーラ「馬主さんやファンの皆様の期待に応えられるよう、ますます頑張っていきます」

◆通算800勝=18年1月7日の中山12R(1000万)・レッドローゼス「ようやく800勝にたどり着きました。数々の失敗もありましたので、これからは失敗のないよう頑張っていきます」

◆牝馬3冠制覇(2回目)=18年10月14日の京都11R(秋華賞)・アーモンドアイ「馬のレベルが高い。今回は(牝馬3冠への挑戦が)2回目。気が楽だった。私がバタバタしていても仕方がない。力を信頼した。こんなふうになるとは、もちろん思っていなかった。日頃の行いかな」

◆通算900勝=20年3月21日の中山5R(未勝利)・アンティシペイト「無事にここまで来ることができたのは、オーナーをはじめ、厩舎のメンバーやジョッキーのおかげです。これからも期待に応えられるよう頑張っていきます」

◆最多勝馬 マツリダゴッホとアーモンドアイ(国内のみでドバイターフは含まず)が10勝を挙げ、最多勝で並ぶ。3位は9勝を挙げたブラックホーク。

◆最多勝騎手 蛯名正義(現調教師)が150勝でトップ。後藤浩輝(故人)が125勝、北村宏が68勝で続く。

◆人気順 1番人気は439勝、2番人気は203勝、3番人気は126勝。近年はアーモンドアイのような人気を備えた実力馬を擁するが、かつての国枝厩舎といえば、人気薄を激走させるのが十八番だった。厩舎で最も人気順の低い人気(17番人気)で勝っている馬はピンクカメオ(NHKマイルC)。

◆場所 最も多く勝っているのが東京競馬場で332勝を挙げている。2位が中山で311勝。これに続くのが、新潟の104勝、福島の103勝。最も勝利数が少ないのは11勝の京都。阪神は12勝、小倉は14勝を挙げている。

◆馬主 最も多く勝っているのは金子真人ホールディングス。金子真人名義を含めると、92勝を挙げている。社台レースホースの56勝、サンデーレーシングの47勝が続く。

◆生産者 ノーザンファームの生産馬で232勝を挙げている。社台ファーム生産馬が180勝、千代田牧場生産馬が67勝で続く。