七夕賞(G3、芝2000メートル、10日=福島)へ向けた最終追い切りが6日、東西トレセンで行われた。「追い斬り激論」は動きの目立った実力馬2頭。栗東からは太田尚樹記者がヒートオンビート(牡5、友道)、美浦からは木南友輔記者がアンティシペイト(牡5、国枝)をプッシュする。

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太田 嫁さんと出会ったのが、16年前の7月7日。なんで、七夕賞はいつも思うところがあるよ。16年前(7月9日)はメイショウカイドウが59キロで勝った。

木南 過去7年で57キロ以上が6勝。軽ハンデ馬を実力馬がねじ伏せてますね。

太田 57キロのヒートオンビートで盤石やろ。天皇賞・春は前残りの上、3角でごちゃついた。スムーズなら2着争いしとったはずや。

木南 追い切りは栗東坂路で4ハロン57秒6-13秒5。軽すぎないですか?

太田 レース当週は強い負荷をかけず、本番へ疲労を残さないのが友道流。雄大でぶれない走りは好印象やった。友道師も「輸送もあるし、暑い時季なので無理させることはない」と。

木南 補欠1番手だった2週前の宝塚記念に出るつもりで仕上げて、調子の維持が難しかったのでは?

太田 宝塚を見据えていた先々週は負担の軽いポリトラックで追われて先週に実質的な最終追い切りとしてCウッド6ハロン83秒8-11秒2。めりはりを利かせた調整ができたし問題ない。

木南 距離短縮で小回りってのはどうですか?

太田 気を抜く面があるみたいやけど、コンビ4戦目の池添騎手は把握済み。「2000メートルから幅広く走れるタイプかな。そこまで不器用ではないし、乗りやすさもあるので対応してくれるのでは」って。

木南 美浦で目立ったのはハンデ56・5キロのアンティシペイト。ハヤヤッコ(古馬オープン)相手に先行して、まったく寄せ付けず2馬身半先着した。ブリンカー着用で集中して走っているし、馬体の緩さが抜けて充実してきましたね。国枝師も「いい感じ。相手は稽古で動かない馬だけど、十分じゃないかな」と。

太田 ウッドで5ハロン68秒5-11秒5か。1週前に66秒3-11秒2という好時計を出しているけど、週末(先週日曜)の時計が74秒7-14秒3というのはちょっと気になるかな。

木南 5馬身差で圧勝の前走と同じなんですよね。1週前に66秒台、週末はサラッと流し、最終追いは68秒9-11秒4。前走があまりに強い勝ち方だったので同じ調整なのは納得です。

太田 去年夏に札幌で見て、はまれば強いけどむらがあるという感じで、信用しづらい印象がある。

木南 4戦目で未勝利を勝って昇級初戦が東京芝2400メートル。翌日のダービー(コントレイル)と同じタイム2分24秒1で勝っちゃったから、菊花賞だ、長いところだ、って期待されちゃった馬。その分、遠回りしてきました。前走後すぐに「この条件(右回り福島2000メートル)が合うとしか思えない」と国枝師は断言。七夕賞にかける思いは強そうです。

太田 俺も七夕賞的中への思いは強いぞ。当てたいな。