ダートのダービーもユタカだ! 3年ぶりに有観客で行われた一戦は、武豊騎手(53)が4番人気ノットゥルノ(牡、音無)を3歳ダート王、G1初制覇に導いた。

直線で抜け出し、勝ち時計は2分4秒6。ドウデュースで勝ったJRAのダービーに続き3歳砂王決定戦も制圧。自身3度目のダブルダービー制覇となった。またJRA騎手として初めて地方通算200勝を達成した。

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またユタカだ。雨が降り注ぐ大井の直線。武豊騎手を背にノットゥルノが抜け出した。発馬後は先団の外へ。4コーナーを回る時には先頭に並びかけ、ゴールまでいい脚を長く持続させた。内で粘るブリッツファング、外から差してきたペイシャエスとの力比べを3/4馬身差制した。鞍上は「チャンスがあると思って大井に来たので、結果を出したかった」と喜んだ。

カネヒキリで勝った05年以来17年ぶりのJDD制覇。通算4勝目は自身が持つレース最多勝記録を更新した。さらにJRAのダービーと合わせ、3度目となる同一年の芝&ダートのダービージョッキー。「日本ダービーとダブルダービーを勝てて本当にうれしく思います」と笑顔を見せた。管理する音無師には13年クリソライト、19年クリソベリル以来3度目の勝利をプレゼント。師は「何度勝ってもうれしい」と実感を込めた。

1度放牧に出し、秋以降を見据える。師は「G1を勝てたから次もG1かも。チャンピオンズCくらいかな」と明言は避けながらも青写真を描いた。3歳ダート王が始動する秋が、待ち切れなくなった。【舟元祐二】

 

 

◆武豊騎手の同一年ダブルダービー制覇 今回で3度目。02年のJRAタニノギムレット→JDDゴールドアリュールが最初で、05年にJRAディープインパクト→JDDカネヒキリ。JDDは今年で開催24回目となったが、同一年のダブル制覇は武豊騎手しか達成していない。

 

◆200勝 JRAの武豊騎手(53)は13日の大井11Rをノットゥルノで勝利し、JRA所属騎手として初の地方通算200勝を達成した。88年3月15日の初騎乗から通算887戦目。

 

ノットゥルノ▽父 ハーツクライ▽母 シェイクズセレナーデ(アンブライドルズソング)▽牡3▽馬主 金子真人ホールディングス(株)▽調教師 音無秀孝(栗東)▽生産者 下河辺牧場(北海道日高町)▽戦績 7戦3勝(うち地方2戦1勝)▽総収得賞金 9505万円(うち地方7400万円)▽馬名の由来 夜想曲(伊)

 

<ペイシャエス=2着>菅原明騎手 2000メートルのペースの方が忙しくなく、いい手応えで運べました。道中はうまくいったと思ったんですが、前も止まらない馬場で、もっと早く動いていたらと。そこは失敗したなと思います。力のあるところは見せてくれました。

<ブリッツファング=3着>池添騎手 直線向いてからも差し返そうとしていたので、勝ち馬と2、3番手が逆だったらと思うけど、自分の競馬をして頑張ってくれているので、今後また期待したいと思う。

<ハピ=4着>藤岡佑騎手 内枠の分、戸惑って流れに乗れなかった。ペースが遅く、馬群が密集していたので外に回した分、最後は苦しくなった。器用に立ち回れるようになれば。

<クライオジェニック=5着>安藤洋騎手 もう1列下げてもよかったけど、ペースが遅かったのであの位置に。力はつけている。今は外回りの方がいい。

<トーセンエルドラド=6着>御神本訓騎手 馬がよくなってきた。ようやく理想の走りができるようになってきた。ここからだと思う。期待していい。

<コスモファルネーゼ=7着>藤本現騎手 一生懸命走ってくれました。地元のメンバーでやればもっと走ると思う。期待してます。

<キャッスルブレイヴ=8着>仲野光騎手 今まで一緒に戦ってきた相手との差は詰まっていると思うので、この馬なりにいい走りはしている。この先、差は詰まってくると思う。

<セキフウ=10着>M・デムーロ騎手 すごく伸びると思ったけど、途中で気持ちが抜けてしまった。距離がちょっと長い気がするけど、それよりも気持ちの問題ですね。

<リコーヴィクター=11着>真島大騎手 息が入りづらいペースだった。それでもこのメンバーですんなり行けるのはすごい。まだパンとしていないので、来年は面白いと思う。