香港でも他馬を置き去りに!? 12月11日にシャティン競馬場で行われる香港国際競走に出走する日本馬が29日、栗東トレセンで国内最終追い切りを行った。香港C(G1、芝2000メートル)のパンサラッサ(牡5、矢作)は坂路単走で4ハロン54秒0-12秒3と余裕のある動き。天皇賞・秋(2着)を大逃げで盛り上げた実力馬が、香港でも主役を担う。

まだ太陽が顔を出さない午前5時過ぎ、パンサラッサが坂路に登場した。単走で4ハロン54秒0-12秒3。余力を感じさせながら軽快に駆け上がった。時計は想定より遅くなったものの、動き自体は順調そのもの。3月のドバイターフ(1着)以来となる海外遠征へ向け、態勢は整った。

追い切りに騎乗した岡助手は「乗った感じでは、天皇賞・秋よりトモの感じとか動き自体はいいかなと思う。カイ食いも落ちることなく順調にこられている」と好感触。大逃げで2着に粘った前走以上の状態にあるようだ。

ドバイ遠征で海外への長距離輸送は経験済み。イレ込みなどの不安もない。体調もいたって良好で、池田厩務員は「カイバも食べるし、手ヅヤもいいし、張りもある。何の問題もない。競馬を盛り上げたいね」と意気込む。

そのドバイでは世界の強豪を相手にスピードを見せつけ、1着同着でG1初制覇。前走、秋の盾ではイクイノックスに最後の最後でつかまったものの、後続を引き離す大逃げで、人々を驚きと興奮の渦に巻き込んだ。「世界の矢作」が送り出す“逃亡者”から目が離せない。【下村琴葉】