年度代表馬は3歳馬イクイノックスに当確ランプがともった。レース前の時点で今年の複数G1ウイナーは2頭。天皇賞・春と宝塚記念の勝ち馬タイトルホルダーがG1・3勝目を挙げれば満場一致で選出されていただろうが、同馬は9着に沈み、イクイノックスが2馬身半突き抜けた。これで立場が入れ替わった。

天皇賞・秋に続くG1・2勝目。年間G1・2勝は同じでも、有馬記念で直接対決を制したことが何よりも大きい。もう1つはメンバーレベル。同馬を含めてG1馬7頭、今年の2000メートル以上の古馬G1を勝った全ての馬が出走していた。皐月賞、ダービーの春2冠は2着に終わったが、夏を挟んだ成長で古馬をも上回った。年度代表馬争いの前段にある、ダービー馬重視の投票姿勢が強い最優秀3歳牡馬争いも、これだけの成績を残せば無風のまま決着する。

まだキャリア6戦。大事に、慎重に成長を促されただけに、大きな伸びしろが残されている。けがなく来年も走り切れば父キタサンブラックに続く、史上5頭目の2年連続年度代表馬選出も夢ではない。【松田直樹】