ハーツクライ産駒の6番人気ハーパー(友道)が、未勝利に続く連勝で重賞初制覇を果たした。

川田将雅騎手(37)騎乗で勝ちタイムは1分33秒1。ゴール前の3頭の追い比べを制し、クラシック候補に名乗りを上げた。今後は桜花賞(G1、芝1600メートル、4月9日=阪神)に直行する見込み。友道康夫調教師(59)は11年から13年連続のJRA重賞勝利となった。

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現役最多ダービー3勝の友道厩舎から新たなヒロイン候補が誕生だ。3頭が広がったゴール前、真ん中のハーパーが内のドゥアイズ、外のモリアーナを従えるように先頭で駆け抜けた。「前半からずっといい形にはならず、苦しい形で進んで行く道中だったので、馬にはストレスの大きいレースになったなあと思います。素質は高いですし、ただまだ体は幼く、精神的にも幼く、何とか動かし切って動いてもらっている現状なので、これからもっと良くなってきてくれる馬だと思います」と川田騎手。道中は6、7番手を追走し、直線半ばでは内から寄られるシーンもあった。競馬センスが光る勝利だった。

1週前追い切りはダービー馬ドウデュースとの併せ馬。「デビュー前からとにかく能力を感じていた馬なので、未勝利戦を勝ったばかりですけど、重賞へ行きたかった」と友道師。集中させるためにチークピーシズを着用させ、余裕のあった1、2戦目から12キロ絞った体で送り出した。「輸送の影響も多少あったかもしれないが、細くは見えなかった。今日はマイル戦だし、チークの効果もありましたね」。采配ズバリだ。

友道厩舎は12年ヴィルシーナ、17年アドマイヤミヤビに続くクイーンC3勝目となった。「距離は2000~2400メートルだと思うけど、東京のマイルは直線が長いので力を出せる。この後は直行で桜花賞、そして、オークスです」。指揮官の視線の先には春の大舞台がはっきりと見えている。【木南友輔】

◆クイーンC優勝馬のクラシック勝利 過去4例。70年タマミが桜花賞、76年テイタニヤが桜花賞、オークス、99年ウメノファイバーがオークス、04年ダイワエルシエーロがオークスを制している。

◆ハーパー ▽父 ハーツクライ▽母 セレスタ(ジャンプスタート)▽牝3▽馬主 エムズレーシング▽調教師 友道康夫(栗東)▽生産者 ノーザンファーム(北海道安平町)▽戦績 3戦2勝▽総収得賞金 4557万4000円▽馬名の由来 ハープを弾く人