落馬負傷で戦列を離れていた“二刀流の鉄人”熊沢重文騎手(55)が、約1年ぶりに実戦復帰を果たした。

5番人気のハナキリ(牡4、森)に騎乗。ズブい馬に道中は追い通しになりながらも、ゴールまで腕っ節を見せて9着だった。

昨年2月26日小倉の障害レースで落馬し、第2頸椎(けいつい)を骨折。不屈の精神でリハビリを重ね、昨年12月に調教騎乗を再開していた。

久しぶりのレース騎乗に「病み上がりにはキツい馬だね」と、充実の笑顔で振り返った。「いいリハビリというかね。競馬ってキツいものだから。これだけ追わせてもらって良かったです。とりあえず今、この場にいられることが幸せ。乗り役は競馬に乗ってナンボですからね。ここにいられることがうれしいです」と、復帰した喜びをかみしめた。

今後は障害レースにも騎乗馬が見つかり次第、復帰する見通し。熊沢騎手の障害レース復帰を心待ちにするファンも多く、鞍上は「これだけ1年も休んでいるとお手馬もいないからね。これからまた馬を作っていかないと。頑張ります」と、力強く意気込んだ。