高野厩舎が2週連続トライアル(TR)制覇を狙う。日曜中山のスプリングS(G2、芝1800メートル、19日、3着まで皐月賞優先出走権)は、セブンマジシャン(牡)がスタンバイ。デビューから2連勝を飾り、重賞でも好走している素質馬だ。同厩舎は12日の桜花賞TRフィリーズレビューをシングザットソングで制覇。僚馬に続いて、クラシックに名乗りを上げる。

今週もトライアル制覇へ、高野厩舎がこん身の仕上げでセブンマジシャンを送り出す。師は「何とか権利を取りたい。メイチの勝負です」と意気込む。

1番人気で臨んだ前走京成杯は3着。4角で外に振られ、直線は前をカットされる2度の不利。不完全燃焼で賞金を加算できなかった。「大事なところで難しい競馬になってしまった。力を発揮できなかった」と悔しさをにじませる。それでも3着まで追い上げたのは能力の証しだ。

母ハピネスダンサーも師が手がけ、芝中距離でJRA5勝を挙げた。「お母さんは頑張ってくれました。ウチの厩舎の初期を支えてくれた1頭です」と、懐かしげに振り返る。祖母はクロノロジストで、おばはクロノジェネシスとノームコア。母系のDNAはしっかりと受け継がれている。

中山芝1800メートルは新馬戦を制した舞台。4戦中3戦が中山で【1 0 1 1】。2走前のホープフルSは6着も勝ち馬とは0秒4差だった。前走は中1週だったが今回は中8週。乗り込み十分で仕上がりはいい。「馬体が成長してボリュームが増している。中山も走っている」と師。母が届かなかった重賞タイトルを手にし、クラシック戦線へ向かうことができるか。【網孝広】

◆高野厩舎のトライアル(TR)V JRA重賞通算22勝中5勝が3歳G1のTRでの勝利。18年フィリーズR(リバティハイツ)、21年チューリップ賞(エリザベスタワー)、22年チューリップ賞(ナミュール)紫苑S(スタニングローズ)、23年フィリーズR(シングザットソング)で5勝とも牝馬で挙げている。

◆前走京成杯組のスプリングS 過去10年では【0 1 0 11】と苦戦傾向だが、昨年は2番人気アライバルが京成杯4着から巻き返して連対した。