オークストライアルのフローラS(G2、芝2000メートル、23日=東京、2着まで優先出走権)の最終追い切りが19日、東西トレセンで行われた。アネモネS3着から臨むクイーンオブソウル(林)は美浦ウッドの併せ馬で先着し、5ハロン69秒3-11秒4を計時した。デビュー前から追い切りに騎乗する津村明秀騎手(37)も、動きに太鼓判を押した。未知の2000メートルをクリアする。

    ◇    ◇    ◇  

鞍上の津村騎手からゴーサインが出ると、クイーンオブソウルは道中で我慢を重ねた分、瞬く間に末脚がはじけた。ローズボウル(古馬2勝クラス)を2馬身半追いかけ、素早いギアチェンジで3馬身突き放した。

前進気勢を押し出しながらテンの遅い追走でも、コンタクトを密に取ってきた鞍上がしっかりなだめて余力十分に直線を迎えられた。「テンは前向きさを出していたけど、相手があまり動かない馬でペースが遅かったしね。ここ2戦よりもしまいの脚はシャープになっています」と、さらに切れ味が磨かれたことを実感した。

父はダート短距離で活躍した新種牡馬マインドユアビスケッツ。デビュー3戦はすべてマイル戦で、2000メートルは初めて。血統面を含めて試金石の一戦となるが、陣営に不安の色は一切ない。

鞍上は「競馬に行くと落ち着いてくれるからね。新馬はテンションが高かったけど、いいところで落ち着いてくれている。2000も今なら楽しみかな」と期待の方が勝る。林師も「スタッフと津村騎手が馬装具を含め、話し合いながら工夫してくれたことがいい方に向いています」と成長ぶりに納得顔だ。逃げ切り勝ちした新馬戦と違い、ここ2戦は控える競馬で脚質に幅を広げた。今なら未知の距離をこなせる下地は整ったとみていいだろう。

エルフィンS(4着)のレース前に津村騎手が「上でもやれる」と認めた好素材。「出来はいいので何とか権利を取りたい」。この一戦にとどまらず、先のオークスにも目は向いている。【井上力心】