今週の日曜東京メインは3歳世代の頂点を決めるダービー(G1、芝2400メートル、28日)が行われる。

二人三脚での奮闘があった。皐月賞を13番人気ながら4着に入ったメタルスピード(牡、斎藤誠)は、大舞台で再びの激走を狙う。担当する小原秀之助手(48)は「レースでは持ってる能力を全て出し切ってくれる一生懸命な子。頑張ってくれると思いますよ」と期待を込める。

もともと能力には光るものがあった。しかし、初勝利を挙げるまで5戦かかった。その原因を小原助手は「もたれて(レースなどで斜行すること)追えなかったんです。スピードはずばぬけていましたし、素質があったんですけど、そこの部分があった」と分析する。小原助手は未勝利戦を勝ち上がるまで担当ではなかった。今年2月に変更となり、その際に斎藤誠師から「もたれるところを修正して欲しい」と指示を受けた。

3月の3歳1勝クラスまでの1カ月間、小原助手は奮闘の日々を過ごした。右にもたれる癖があった同馬に対し、常に注意を払った。「馬の引っ張り方から工夫しましたね。左で引っ張ると、反抗してしまうんです。だから右に行きそうになったら、体ごと抑えたりして」。引き運動の時から、その意識を徹底した。

同馬の性格を一言で表現すると「真面目な子」。過去に14年オークス馬のヌーヴォレコルト、21年府中牝馬Sを制したシャドウディーヴァなど、重賞馬を担当してきた。その馬たちにも共通していたのは、素直さだった。その性格が癖の矯正にも役立った。「どんどん良くなっていったんです。だからこっちも接するのがすごく楽しかったんですよね」。気付けば馬具の工夫は必要がなくなるほど。そして重賞戦線でも上位争いできるほどに成長した。

20年以上のキャリアを積んできた小原助手は、初めてのダービー出走を迎える。それでも緊張はない。「人間がガチガチになると馬にも伝わっちゃいますからね。いつも通りに接してあげられればなと」。試行錯誤を重ねた日々があったから、自信を持って構えていられる。後は無事にレースへ送り出すだけだ。【阿部泰斉】