5日の午前7時過ぎ。調教スタンドで「来たぞ、来たぞ」と周囲がざわつきました。その視線の先には装鞍を終え、これから馬場入りするカルパの姿がありました。鞍上は武豊騎手。人馬ともに朝日を背中に浴びながらコースに入る様子は、神秘的な要素を感じました。やはり白毛馬は絵になります。

人間は自然と白色に引かれるのでしょうか。最も優れる人物や物をたとえて「白眉(はくび)」と表現しますし、世界遺産に登録されている姫路城は白色のしっくいで塗られているのが名物。世界的な観光地であるギリシャのミコノス島は「エーゲ海に浮かぶ白い宝石」とうたわれるほど、白で統一された街並みが有名です。

ここで私の地元川崎でも白色の話題で1つ。川崎競馬場では毎年12月の開催時に白毛、芦毛(あしげ)の馬体を有している馬のみに出走資格が与えられるレースがあります。その名も「ホワイトクリスマス賞」。時季はまだまだ先ですが、白系の馬たちが馬群を形成したり、直線でのたたき合いを演じたりするので、なかなか新鮮味があります。ぜひご覧ください。【舟元祐二】