単勝140円の断然人気ミニアチュール(佐藤祐)が牝馬3冠最終戦を大差勝ちして、岩手の「牡牝4冠」を達成した。

スタートから主導権を奪い、勝負どころの3~4角で後続との差を徐々に広げ、直線は独走した。2着の5番人気ユウユウレラシオンに1秒8差をつけた。勝ち時計は2分6秒5。

ミニアチュールは門別で2勝を挙げて2歳時に岩手に移籍。昨年12月の転入初戦から破竹の7連勝を飾った。2走前に牝馬2冠目のひまわり賞(オークス)を制覇。その前にはダイヤモンドC、東北優駿(岩手ダービー)の牡馬2冠を勝ち、8連勝と史上初の牝馬による牡馬3冠を狙った前走不来方賞は4着に敗れていた。

今回は中1週の強行軍をものともせず、牝馬同士の一戦で力の違いを見せつけた。父はラブリーデイで通算21戦10勝、重賞7勝。

鞍上の山本政聡騎手は「逃げにこだわっていたわけではなくて、他にもっと行く馬がいたら行かせてしまうつもりでした。あくまでも自分のペースで、自分の呼吸で走らせてあげたかった。前走が出入りも多くて自分の呼吸ではないリズムになってしまいましたからね。今回は2000メートルも長いですし、自分のリズムで走らせたかったです。3コーナーくらいから馬が走る気になっているのを感じたので、これなら他の馬はついてこれないだろうなという自信を持って追い出しました。このレースで自分の1800勝を決めることもできました。これからもっと馬に教わりながら、自分の引き出しを増やしていけたらと思っています。今回はミニアチュールの強いところを見せてあげることができました。これからも応援よろしくお願いします」とコメントした。

◆OROオータムティアラ 岩手競馬の3歳牝馬路線の充実を図ることを目的に3年前の20年に創設。留守杯日高賞、ひまわり賞と合わせて牝馬クラシック3冠体系が確立した。第1回、第2回は10月後半に施行されたが、昨年から9月に移行された。昨年はトーセンキャロルが勝ち、ひまわり賞に続く牝馬2冠を成し遂げた。