実績馬か、新星か-。オールカマー(G2、芝2200メートル、24日=中山、1着馬に天皇賞・秋優先出走権)へ向けた追い切りが21日、東西トレセンで行われた。「追い斬り激論」は天皇賞・春の競走中止から復帰戦に挑むG1・3勝馬タイトルホルダー(牡5、栗田)、函館記念で重賞初制覇を果たしたローシャムパーク(牡4、田中博)に焦点を当てる。松田直樹記者と木南友輔記者のジャッジは?

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木南 今週はスターホースの復帰戦。やっぱりタイトルホルダーが気になる。

松田 単勝1・7倍の支持を受けた春の天皇賞はまさかの競走中止。その後は放牧に出され、8月17日に美浦へ帰厩。状態を確認しながら丁寧に調整を重ねてきました。

木南 1週前は原田騎手がまたがって、ウッドで5ハロン65秒9-ラスト11秒3。今週は主戦の横山和騎手を背に同66秒4-11秒5。このレベルの馬ならこのくらいの時計は出る。

松田 単走ですが、誘導馬を前に置く形でした。栗田師も「力みがなく、上手に走っていた。手前の替え方は完調時ほどではないけど、おおかた順調にきて、レースではパフォーマンスを出せる状態です」と。

木南 正直、筋肉や馬体の張りという点では迫力がない気がしたんだけど、先週、今週の動きはやっぱりG1馬の貫禄を感じたよ。前走は初めて経験する京都外回りの下り坂で歩様が乱れたんだと思う(右前肢ハ行の診断)。今回は走り慣れた中山。単騎で逃げる形に持ち込めば、好勝負を期待できる出来だ。

松田 陣営は帰厩の時期や目標のレースを決めるのも慎重に判断。ファンの多い馬ですし、大事なドゥラメンテの後継種牡馬としても期待される存在です。まずはここで無事な始動を。とはいえ、力の違いを見せてくれても不思議はない。

木南 ドゥラメンテと同じエアグルーヴ牝系出身がローシャムパーク。こっちの動きは抜群に見えた。

松田 ウッドで5ハロン65秒7-11秒5。併せた相手に楽に先着しました。先週も6ハロン79秒7の猛時計を出してます。

木南 田中博師は「先週の追い切りが終わってから馬房内で緊張感があって、少し煮詰まってきている挙動が気になる。精神状態がギリギリのところにきているのかも」と。ただ、「動き自体は良かった。(函館とはまったく異なる馬場状態になりそうだが)時計勝負は問題ないです」って。

松田 昨年のセントライト記念は3着。函館記念は勝ちましたが、今回は一気の相手強化で、どこまで平常心を保てるかですね。先週レーベンスティールで勝った厩舎の勢いは魅力です。

木南 月曜にはイクイノックスの天皇賞・秋→ジャパンCが発表になった。

松田 オールカマーがこの秋冬の中距離戦線にどのような影響を与えるのか、ワクワクしますね。