牝馬3冠へ-。5戦4勝の女王リバティアイランド(牝3、中内田)が、秋華賞(G1、芝2000メートル、15日=京都)で史上7頭目の快挙に挑む。連載「3冠の女神へ」では、偉業を狙うリバティアイランド陣営を取材した。

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リバティアイランドを担当する松崎圭介助手(47)は、ひと夏越した変化について「春の雰囲気と特に変わりないですが若干、性格的にどっしりしたかな。以前は周りの馬が暴れたりしたら一緒につられて暴れたりしたが、今はつられることもなくマイペースで過ごせています」と明かす。

川田騎手が“お嬢さん”とリバティを呼んだことも記憶に新しいが、普段からそういう様子があるという。「体を触られるのがとりあえず嫌いで。皮膚も薄いからなのかもしれないけど、くすぐったいのかな。手入れすると、かんだり蹴ったり(笑い)。顔だけは好きで触らせますけどね。その辺は自分を持っているというか、基本的に普通の女の子っぽいです」。最強の女王にも、かわいらしい一面があるのだ。

そんな難しい性格には、松崎助手の経験値が生きている。同じ中内田厩舎ではG1馬ダノンファンタジーや重賞馬のミッキーチャーム、アートハウスなどを担当。牝馬の扱いはお手のものだ。「女の子は怒ってもいいことがない。すぐへそを曲げるので(笑い)。リバティも蹴ったりしたら少しは怒りますけど、なるべく怒らないようにしています」と、絶妙な距離感で寄り添ってきた。

史上7頭目の牝馬3冠へ。「3冠を取るのは目標じゃなく、義務くらいの感じで思っています。いちファンとして、どんな競馬をするのか楽しみにもしています」と、大きな期待を寄せる。【奥田隼人】