日本の3歳馬デルマソトガケ(牡、音無)が2着に好走し、ダートの本場・米国の猛者たちを相手に能力を見せた。ルメール騎手に導かれ、サンタアニタパークの直線を懸命に伸びた。日本馬初のBCクラシック制覇こそならなかったが、最後の最後まで勝ち馬ホワイトアバリオを追った。

ルメール騎手は「よく頑張ってくれた。向正面でこの馬には少しペースが速くて3、4コーナーで少しズブさを出した。直線はスタミナを生かして勝ち馬に迫ってくれたけど、勝ち馬の方がちょっとシャープでしたね」と振り返った。

半年ぶりのぶっつけ本番だった。前哨戦に予定していた日本テレビ盃は態勢が整わずに回避。音無師も「本番に向けて1回は使っておきたかった」と話す誤算だった。しかし、ソトガケはサウジ、ドバイ、米国と遠征を経験したことで心身ともにパワーアップしていた。「ルメール騎手の追い切りの感触がすごく良かったし、これならやれていい」(同師)。納得の仕上がりで臨んだ頂上決戦だった。

見守った音無師は「僕らは勝ちたかったですけど、相手もいることなので」と少し悔しさものぞかせた上で「状態は良かったです。長期休養明けを心配していましたけど、それを差し引いてもよく走ってくれました。馬場もすごく合っていると思います。ドバイとよく似ているので。来年もサウジ、ドバイと挑戦したいですね。ケンタッキーダービー(6着)はふがいなかったですけど、今回は走ってくれたので見直してもらって、また応援してください」と立ち直った愛馬をねぎらった。

まだまだ将来が明るい3歳馬だ。帰国後、そして来年もまた世界の舞台へはばたくのだろう。ソトガケの世界行脚は続いていく。

もう1頭の日本馬ウシュバテソーロ(牡6、高木)は5着。後方追走から徐々にポジションを押し上げ、4コーナーでは外からいい脚を見せたが、直線では他馬と脚色が同じになった。川田騎手も懸命に相棒を鼓舞したものの、史上初の同一年ドバイワールドCとのダブル制覇はならなかった。

川田騎手は「肉体的にも精神的にも、いい雰囲気で返し馬まで終えられました。レースもしっかりと自分の競馬をしながら、最後まで頑張ってくれての結果なので、世界一の舞台に精いっぱいチャレンジしてくれた彼の走りをたたえたいと思います」と相棒をねぎらった。

勝ったのは、地元のホワイトアバリオ(牡4、R・ダトローJr.)。好位追走から直線で抜け出し、そのまま押し切った。鞍上はI・オルティスJr.騎手で、勝ちタイムは2分2秒87。3歳時のフロリダダービー、前走ホイットニーSに続くG1・3勝目。

大外から追い込んだプロクシーがゴール寸前で3着に浮上した。

馬連(3)(5)5630円、馬単(3)(5)9430円、3連複(3)(5)(13)2万8280円、3連単(3)(5)(13)12万230円。

(注=成績、払戻金などは、必ず主催者発表のものと照合してください)