今週の日曜中京メインは、秋のダート王を決めるチャンピオンズC(G1、ダート1800メートル、12月3日)が行われる。

今年のフェブラリーSでG1初制覇を果たしたレモンポップ(牡5、田中博)は初の1800メートルへの距離対応が鍵を握る。30日に追い切りを終え、管理する田中博康調教師(37)が共同会見に出席。意気込みを口にした。一問一答は以下の通り。

-最終追い切りを終えて

田中博師 ある程度仕上がってきていたので、あの馬にとってはさらっとしたメニューで終わらせました。番手で折り合い、リズム、今回一番の課題となる走りのバランスを確認しましたが、まだ修正しきれていない部分は多々ありますが、おおむねいい形で終えられたと思います。

-さらっとで好時計

田中博師 今年の根岸Sを終えたあたりからずいぶんと脚元が固まってきたので、この馬にしてはしっかりと負荷をかけられるようになってきたなという印象はあります。馬の成長も伴ってここまで来たと思います。

-1週前追い切りでは坂井騎手がまたがった

田中博師 先週はジョッキーに感触を確かめてもらうのと初めて4つコーナーを回るということを頭に入れつつ乗っていただきました。ジョッキーの感触もよかったですし、実際競馬に行かないと分からないところもありますけど、追い切りに関してはいいイメージを持ってもらえたかなと思います。

-ジョッキーからいいイメージを持ってもらったポイントは

田中博師 前走南部杯の1週前追い切りに乗ってもらったのですが、正直その時は迫力不足。その時は栗東ウッドコースだったので正面から出ていきましたけど、しまいがばたばたになるような追い切りでした。今回は長い距離を走るということでそのあたりの確認と、こちらとしては南部杯の時よりも成長している、馬の状態が上がっているなという実感があったのでそこを確認してもらってどういうフィードバックをもらえるかなというところでした。

-南部杯は大差で勝った

田中博師 前走はもちろん休み明けというのは分かっての調整でしたし、正直フェブラリーSで千六のG1を勝たせていただきましたが、こちらとしては距離は半信半疑がありまして、そのあたりを踏まえて調整をしていましたけど、そういった面と休み明けという感じは1週前の追い切りを終えて抜けてきて、ずいぶんと仕上がってきたなというところでの出走でしたが、やはり距離、地方という初の舞台というところで正直半信半疑で見守っていましたが、その中であのパフォーマンスだったので、ただただ驚きという感じですね。

-大勝に驚いた

田中博師 そうですね。勝つ可能性はあると思って送り出していましたけど、あれほど差をつけるとは想像していなかったですね。

-今後への選択肢が広がった

田中博師 あのレースを終えるまでは次走がどこかはいくつかの選択肢はありましたが、明確にこことは決まっていなくて、あのパフォーマンスを見てオーナーと協議した結果、チャンピオンズCということになりました。

-1800メートル、4つのコーナーと未知の部分に挑む

田中博師 自分も不安はあります。もちろん自信がありますともなかなか言えない状況では正直ありますが、いつもこの子はこちらの想像を超えるパフォーマンスをしてくれます。自分たち、厩舎としてはそもそもマイルが長いと思っていましたし、それをさらに延ばす選択肢、さらにコーナー4つ。もちろん自信満々ということはないですが、この子の可能性に懸けてこの1800メートルに対応できる、楽に走れるようにという調整をしてきたので、やれることはやってきたという自信はあるので、これで馬がどういうパフォーマンスを見せてくれるのかなと、厩舎としても期待と不安があるといったところです。

-楽に走らせるための工夫は

田中博師 この子の武器というかレースセンスは非常にある子ですし、そういった面で1800メートルに替わるから競馬が難しくなるというのはセンスでカバーできてほしいなと思っていますけど、気持ちの強さと走りのバランスはやはり中距離馬のバランスではないので、そういったところを数%でも最後ゴール板まで余力が残っているようにと思って意識して改善に取り組んできたつもりではありますけど、それが実際レースに行ってどう表れるかだと思います。

-メンタル面の成長は

田中博師 競馬場に行って手を焼く、雰囲気が悪くなるといったところはあるタイプではないので、ドバイに行った時もどっしりとしていました。ただ、やはり年齢を重ねて、この夏を越して体の成長はすごく感じていましたけど、精神的な部分においてもドバイでは厳しい競馬というかかわいそうなことをしてしまいましたけど、それが少しでも糧になって今の心身の成長につながっているのではと思います。

-G1制覇への思いは

田中博師 初めてG1を勝たせていただいた子ですし、何とかJRAのダートG1は2つですから、そういうのもあってここを選択したという経緯もあるので、ライバルは強力ですけど、この可能性に懸けて、自分たちもやれることはやってきて、あと数日ありますけど、そこを大事に過ごして、こちらとしても一生懸命応援したいなと思います。

-ファンへ

田中博師 非常にかわいい名前でそれに見合わない馬体もしていますし、ファンも多いと聞いていますので、やはり大きな大きなチャレンジになるのは間違いないので、皆さんの応援が必要です。頑張りますので、応援よろしくお願いします。