実績馬ウインマーベル(牡4、深山)が1年7カ月ぶりの復活Vを挙げた。

好位から押し切って重賞2勝目。「スーパーG2」でG1馬4頭を破り、来年は念願の頂点を目指す。松山弘平騎手(33)は今年のJRA重賞6勝目で、シャフリヤールに騎乗する24日の有馬記念へ弾みをつけた。

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前扉が開く瞬間に五感を集中させた。松山騎手とウインマーベルが遅れることなくゲートを飛び出す。「課題のスタートをしっかり出てくれて、いい形で脚をためられた」。好位から直線の坂を駆け上がって先頭に立つと、差し馬が2~4着を占めた厳しい展開を押し切った。ムチを握った右手で喜びを表した鞍上は「しっかり伸びていたし、他馬を気にする心配もなく強い競馬をしてくれた。ここで結果を出せてうれしい」と白い歯をのぞかせた。

昨秋のスプリンターズS2着馬が待望の復活Vを果たした。勝利から遠ざかること1年7カ月。今年は1400メートルへ活路を求め「スーパーG2」で見事に結果を出した。深山師は「短距離馬らしい体つきになって前向きさも出てきた。来年は大きいところを狙っていきたいけど、条件(距離)はオーナーと相談したい」と見通しを示した。国内G1なら1200メートルとマイルの2択。いずれにせよ、頂点は目前だ。【太田尚樹】

◆ウインマーベル ▽父 アイルハヴアナザー▽母 コスモマーベラス(フジキセキ)▽牡4▽馬主 (株)ウイン▽調教師 深山雅史(美浦)▽生産地 コスモヴューファーム(北海道新冠町)▽戦績 20戦5勝▽総収得賞金 2億7877万5000円▽主な勝ち鞍 22年葵S(G3)▽馬名の由来 冠名+驚くべきこと