1番人気のマイネルグロン(牡5、青木)が破竹の4連勝で重賞連勝、J・G1初制覇を果たした。

開業7年目の青木孝文調教師(42)は平地、障害を通じてJRA・G1初勝利。石神深一騎手(41)は21年オジュウチョウサン以来通算5勝目。勝ちタイムは昨年より8秒速い4分37秒9で、2着ニシノデイジーに10馬身差をつけた。障害界にニュースター誕生を予感させた。

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最終障害手前のバンケットで勢い良く加速したマイネルグロンが先頭に立った。直線はみるみるとリードが広がり、昨年の覇者ニシノデイジーに10馬身差の楽勝。勝負どころから独走した。

石神騎手 乗る前から自信がありました。(先頭に立つのが)早いと思ったけど、馬任せで行っても残るだろうと。直線は物見するくらいだったし、それでこの時計ですからね。

鞍上は昨年の勝ち時計を8秒も上回るパフォーマンスに舌を巻いた。

青木師は関係者からひっきりなしに祝福を浴び、師匠の小桧山師と抱き合うと感情があふれ出した。「感無量です。褒められた成績ではないけど、やってきたことが間違ってなかったんだと。楽しかったですね」。トレセン入り前に腕を磨いた、思い入れの深いビッグレッドファームの生産馬、マイネルの勝負服での勝利は格別の喜びだった。

「障害界のスターになれると思います」。かつて絶対王者オジュウチョウサンをJ・G1・9勝に導いた名手は、飛躍を確信する。師も「同じ道をたどってくれれば」と期待を隠さない。障害界の新スターへの道が、ここからスタートする。【井上力心】

◆マイネルグロン ▽父 ゴールドシップ▽母 マイネヌーヴェル(ブライアンズタイム)▽牡5▽馬主 (株)サラブレッドクラブ・ラフィアン▽調教師 青木孝文(美浦)▽生産者 ビッグレッドファーム(北海道新冠町)▽戦績 21戦5勝(うち平地11戦0勝)▽総収得賞金 1億6807万1000円(同1084万円)▽主な勝ち鞍 23年東京ハイジャンプ▽馬名の由来 冠名+気高い、雄大な(フランス語)。