明確な数字設定、新トレーニング導入でさらなる飛躍だ。デビュー5年目、年男の原優介騎手(23=フリー)は今年の目標に「年間55勝、重賞2勝、重賞騎乗回数10鞍」を掲げた。原騎手は「5年目で減量が最後の年になります。ここでもうひとつ、減量がなくても結果を出せるんだというところをみせたいです」と意気込む。

23年も活躍が目立った。それまでのキャリアハイを10勝更新するJRA年間26勝を挙げた。ウィルソンテソーロ(牡5、小手川)とのコンビでは、2度のG1・2着に食い込んだ。年末の東京大賞典は、思い通りの騎乗が出来たと言う。「相手はウシュバテソーロだと思っていました。(逃げて)3角に入るところでペースを上げたんです。1度、ウシュバを促さなければいけない状況をつくれました。思い通りでした。それでも、まくられてしまった。本当に強いなと」。悔しさが込み上げた。念願のタイトルまでもう少しだったから。

わずかの差を埋めるべく、新トレーニングを導入した。年始から美浦トレセン近くの牧場で馬術を習い始める。意図を以下のように説明する。「僕は馬に合わせた返し馬を心がけていて、それが結果につながっているのだと自己分析しています。その精度を高めるために、馬術を取り入れようと。ヨーロッパで12年間の馬術経験がある方に教わるので、これがあるのとないのとでは違うだろうと」。昨年11月末に結婚したばかりの新婚だが、結果を出すためにも今年は競馬漬けの日々を過ごすつもりだ。

元日は自身が何度も訪れ、「パワースポット」と信じる茨城県日立市の御岩神社で初詣。年男だが、本厄の2000年生まれ。しっかりとおはらいも済ませた。おみくじの結果は、末吉。「でも、いいことしか書いてなかったです。油断をするなよと」。鍛錬を積み、自らの努力で「大吉」だったと振り返られる1年にする。【阿部泰斉】