出世レースを制して、一躍スター街道へ-。土曜京都の若駒S(リステッド、芝2000メートル、20日)で、ホープフルS3着のサンライズジパング(牡、音無)が、賞金加算を狙う。

前走は13番人気の低評価を覆し、芝適性を示した。来年で定年を迎える音無秀孝調教師(69)は今年がラストクラシック。まずは1冠目の皐月賞(G1、芝2000メートル、4月14日=中山)へ、弾みをつけたい。

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芝とダートの二刀流サンライズジパングが、芝に照準を定めた。管理する音無師は来年で定年のため、今年がラストクラシック。大きな夢を乗せ、まずは年明け初戦で賞金加算を狙う。

前走のホープフルSは可能性を広げる一戦となった。新馬戦4着以来、2度目の芝がG1挑戦。16頭立ての13番人気と低評価だったが、3着と激走した。レース内容も正攻法で運び、4角では外に振られるロスもあった。それでも最後までしぶとく脚を伸ばし、勝ち馬との差も0秒4。師は「芝は新馬戦しか走っていなかったので。前走は不利がありながら、よく走ってくれている」と振り返る。クラシック候補の1頭へ、一気に名乗りを上げるレースになった。

今年から競馬界では3歳ダート3冠路線が整備された。砂でもJBC2歳優駿2着の実績があるサンライズジパングの路線選択は注目されたが、芝での勝負を決めた。師は「芝とダートどちらも走れるんですけど、ホープフルで3着にきてくれたので。今後は芝路線に切り替えて。具合はいいと思いますし、皐月賞にいきたいですね」と力を込める。ジパングが大事な年明け初戦を迎える。【奥田隼人】

◆音無厩舎の牡馬クラシック活躍馬 初挑戦は98年菊花賞のグリーンプレゼンス(10着)。07年皐月賞のヴィクトリーで初制覇。08年菊花賞はオウケンブルースリで制した。ダービーは17年アドミラブルの3着が最高。今年出走となれば、アリストテレスで無敗の3冠馬コントレイルに首差の2着まで迫った20年菊花賞以来となる。