ウィルソンテソーロ(牡5、小手川)は午前4時45分、僚馬5頭を引き連れ、美浦の角馬場に姿を現した。ライトに照らされた馬体は毛づやがよく、堂々と風格が漂う。時折首を上下に振り、元気いっぱい。軽く柔らかなタッチで砂をつかみ、横田助手は「追い切り後も順調で問題ないです」と充実ぶりを強調した。

こてこてのダート馬とは思えない、しなやかさが武器だ。小手川師は「骨折もあったのでダートを使っていますが、将来的には芝を使いたい、とオーナーとも話はしています」と明かす。追い切り後計測の事前体重はメンバー中2番目に軽い490キロ。「この相手の中に入ると軽く見えますよね。昔と違って今のダートはパワーだけでなくスピードも必要。この馬は両方を兼ね備えているので、条件問わず走ってくれます」と信頼を置く。明け5歳の今も脚元にはボルトが入ったまま。ポテンシャルは計り知れない。