今年の注目新種牡馬を紹介する。

ダノンザキッド

父ジャスタウェイ 

母エピックラヴ(ダンシリ)

■けい養先 ビッグレッドファーム

■戦績 19戦3勝

■主な勝ち鞍 20年東京スポーツ杯2歳S、ホープフルS

■種付け料 50万円

デビューから無傷3連勝で20年ホープフルSを制し、同年のJRA賞最優秀2歳牡馬に輝いた。以降は勝ち運に恵まれなかったが、3歳秋のマイルCSでは3着好走。4歳時の同レースでは連対を果たし、続く海外初挑戦となった香港Cでは、ロマンチックウォリアーには敗れたものの国内外で活躍するジオグリフ、ジャックドール、レイパパレ、パンサラッサなどを抑えて日本勢最先着となる2着に入っている。2歳夏から5歳暮れまでタフに主要距離1600~2000メートルの第一線で活躍してきた。馬格がありながらも早期から動ける素軽さに加え、奥行きのある良質な血統背景も魅力。リーズナブルな種付け料からもコストパフォーマンスの高い種牡馬と言えそうだ。

<ビッグレッドファームスタッフ>

父ジャスタウェイはG1・3勝を挙げ、日本調教馬として初めてワールドベストレースホースランキング1位になった名馬であり、その代表産駒です。G1に11回出走し1着1回、2着2回、3着2回。獲得賞金は香港を含めて約4億6000万円。一介の早熟という言葉では片付けられない成績を残しています。母エピックラヴはフランスのG3勝ち馬でG1・2着の名牝。曽祖母のアルカンドは米G1勝ち馬。牝系にはダンシリ、アルザオ、ダイイシスとヨーロッパの中でも運動神経に秀でた馬が配合されています。18年セレクトセール当歳部門1億800万円で取引されるなど、幼少期から高い評価を受けており、その評価に違わぬ活躍を見せました。2歳6月に496キロでデビューし、ラストランとなった香港マイルでは538キロで出走。体高も高く、馬格に恵まれていながら運動神経の良さ、手先の器用さは特筆すべきものがあります。動きは軽快で反応も俊敏。芝適性の高さがうかがえますが、配合次第ではダート適性の高い産駒も出るのではないでしょうか。2歳戦から活躍してきた完成度の高さと、古馬一線級で好走してきた成長力はこの馬の特徴であり、産駒にもこの優れた性質が伝わることを期待しています。

<現役時代に管理した安田隆行師>

一番印象にあるレースはデビュー戦です。厩舎としても期待を持って臨んだレースでした。メンバーがそろったので結果はどうなるかと思いましたが、3馬身差をつけての圧勝は衝撃でした。やっぱり走る、とあらためて感じました。風格や雰囲気はロードカナロアに匹敵する印象で、結果として勝ち星はデビューからの3連勝で終わってしまいましたが、ポテンシャルは同じくらいあったと思っています。香港遠征では常に堂々としており、元気もあって、何の不安もなくレースに臨むことができ、精神面も非常に強いと感じました。今後は種牡馬としての活躍を願いますし、皆さまのバックアップで、たくさんの産駒が見られることを楽しみにしております。