今月限りで引退し、庄野厩舎の調教助手となる川島信二騎手(41)が25日、阪神8R(4歳上2勝クラス、ダート1800メートル)でJRAでの最後の騎乗を終えた。ピジョンブラッド(牝5、荒川)に騎乗し、結果は9着だった。

レースを終え、検量室に帰ってくると、大きな拍手で迎えられた。引退セレモニーでは、同期の難波騎手、師匠の安藤正敏元調教師、家族から花束が贈呈され、阪神競馬場に訪れたファンからは温かい拍手が送られた。

川島騎手は「(最後のレースで勝てなくて)悔しかったですね。勝負になる馬だと思っていましたが、レースの流れがこの馬には合いませんでした。最後の最後まで、レースに集中して乗ることができました。周りからは『無事に』と声をかけてもらっていたんですが、騎手として、馬に乗っている以上は仕事を全うしたいという気持ちでした。先輩、後輩から拍手してもらってうれしかったです。小学生の卒業文集で騎手になりたいと書き、その夢が実現し、23年間やってこられました。本当に幸せです」と話した。

川島騎手は01年に安藤厩舎からデビューし、03年の小倉大賞典(マイネルブラウ)で重賞初制覇。オースミハルカとのコンビでは03、04年クイーンS連覇など重賞を3勝。04、05年エリザベス女王杯では2年連続2着に好走した。騎手として、勝ちにこだわって走ってきた23年間-。師匠の安藤元師にも感謝しかない。

「騎手を辞めると決めた時、真っ先に報告に行きましたが、これまでと変わらず『川島はうまいのになあ』と褒めていただきました。デビューの時からずっと褒めてくれる。最後まで変わらず、そういう声をかけてくれてうれしかったです。安藤先生がいなければ、今の僕はいないです。本当に恵まれていると思いました」

騎手としてのラストライドは27日名古屋8Rのミエノソニック(牡3、高橋亮)になる。デビューから手綱を取り、同馬の母にも主戦として騎乗した。「最後にミエノサクシードの子に乗れる。幸せです」と笑顔で話していた。