皐月賞を翌日に控えた13日の美浦。コスモキュランダを送り出す加藤士津八調教師(39)が厩舎のスタイルを教えてくれました。

今年はコラソンビートが桜花賞に、そして前述したコスモキュランダ。牡馬、牝馬をクラシックに同一年に送り出すことは容易ではありません。厩舎として何を大事にしているのか。まず加藤士師は「厩舎のベース作りに2、3年を費やしました」。騎手時代の経験も生かして、開業当初から、学んできたものは取り入れたとのこと。「開業した時に、運動は森林馬道を、そしてプールもやってほしいとスタッフに言ってきました」。前者は栗東を意識したらしく、「厩舎周りの平たんよりもアップダウンのある森林馬道に慣れた方が気持ちも強くなる。栗東と同じです」。後者は騎手時代に所属した国枝栄厩舎での経験。「当時はあまりプールはやっていなかったけど、国枝厩舎でやってて、それを見ていいなと。プールの狭いところだったり、水に慣れたりすることで、馬に度胸がつくと思いますし、プールの方が平地よりも心肺機能も鍛えられるので」。開業年の19年は6勝。2年目の20年には19勝と着実に効果は数字として出始め、そこからさらに試行錯誤しながら。

そして昨年にコラソンビートで京王杯2歳Sを勝利。これが厩舎初のJRA重賞初制覇となりました。今年はコスモキュランダが弥生賞ディープインパクト記念を制し、クラシックの道へ。師は「いい馬を預からせてもらいましたし、これまでやってきたこと、準備してきたことが実ってきた感じはあります。馬を任せてもらってしっかり育てられるようにと。厩舎力になっていると思います」。まいた種が実る。ここでG1称号を取れれば最高の収穫です。印関係なく、注目しています。【舟元祐二】