九州産のイロゴトシ(牡7、牧田)が、連覇の大仕事をやってのけた。黒岩悠騎手(40)は「うれしいですね。やっぱり強いんだということを見せられた」と肩の荷を降ろした。重馬場の昨年、3秒1もの大差勝ちした実力は本物だった。

断然人気のマイネルグロンは出遅れ、なかなか位置を上げられない。序盤はビレッジイーグルが先手を取り、大竹柵からはニシノデイジーが離して逃げる展開で、3番手の好位につける。最終周回の向正面で3頭が一団になるや先頭に立つと、一目散にゴールに飛び込んだ。

「マイネルグロンも意識していたが、リズムを守ろうと思っていた。ビレッジイーグルも粘り強くてかわすのに苦労したが、頑張ってくれた。ターフビジョンで見て後ろが近かったので、必死でお願いって気持ちでした」。

昨秋は夏負けの影響があって1戦して休養。中山大障害を見送らざるを得なかった。5カ月間隔を空けて立て直し、3月に3勝クラスのスピカS(13着)を使って良くなっていた。自身の九州産記録を塗り替えるG1・2勝目。「新しい記録を残せた。九州の馬産地にも希望を分けられたんじゃないかな」。飛越、スタミナ、スピードと3拍子そろった王者は、暮れにまた中山に戻ってくる。

◆イロゴトシ ▽父 ヴァンセンヌ▽母 イロジカケ(クロフネ)▽牡7▽馬主 内田玄祥▽調教師 牧田和弥(栗東)▽生産者 本田土寿(熊本県)▽戦績 31戦6勝(うち平地22戦3勝、地方3戦0勝)▽総獲得賞金 2億849万5000円(うち平地5927万5000円、地方240万円)▽主な勝ち鞍 23年中山グランドJ(J・G1)▽馬名の由来 色事師

◆中山グランドJ連覇 ゴーカイ(00、01年)、カラジ(05、06、07年)、オジュウチョウサン(16、17、18、19、20、22年)に続き、イロゴトシが4頭目。