「芝3200メートル」。この数字を見て身体が震えるのは私だけなのだろうか。

学生時代、所属していたサッカー部でまったく同じ距離を走るトレーニングがあった。指定されたタイム内にゴールできなければ、もう1度やり直しなので、絶対に失敗は許されない過酷なメニューだった。このトレーニングでは400メートルのコースを8周、それを50人ほどで一気に走るため、スタミナだけでなく、能力を最大限に生かすための位置取りと、自分の脚質を考えた上でのペース配分が求められた。

“差し”が得意な私は、後方で脚をためつつ、残り1周で一気にタイムを縮める、そんな脚質で日々のメニューをクリアしてきた。試合序盤からハイパワーな運動量が求められる現代サッカーにおいて、この“競走馬”のような走り方はトレーニングとして実用的だったのだろうか。タイム内に3200メートルを走り切らなければ、サッカーボールを使用した練習に参加できないのだから、スタイルを変えることは卒業までできなかった。当時の監督の目つきはサングラス越しでも怖く感じていたし…。

さて、この調子で話が淀の舞台から脱線しすぎると、競馬の神様の鼻息が荒くなってしまいそうなので、昔話はこのあたりで終わりに…。冒頭で触れた震えの正体は、天皇賞・春を迎える気持ちの高まりを表す武者震いなのか。それとも学生時代の恐怖がタイムリープしてきたのか。どちらなのか確かめたいところではあるが、答え合わせはレースの結果を見てからにしようと思う。

◎チャックネイトの大駆けに期待したい。15戦中13戦で3着以内をキープしている安定感が魅力。昨年春に去勢手術を行い、前走のAJCCで重賞初制覇を果たすなど、成長を続けている。鮫島駿騎手とは初コンビとなるものの、これまで5人の騎手で勝利している実績があるので心配はいらないだろう。

◎チャックネイト

○テーオーロイヤル

▲ドゥレッツァ

馬券は3頭のワイドボックスで。

◆シュンヤ 日刊スポーツを愛読する若き競馬予想家。12月9日、大阪生まれ大阪育ち。好きな馬はノームコア。就職試験でJRAの採用試験を受験するもあえなく撃沈し、現在は夜の仕事に励んでいる。好きなサッカー選手はリオネル・メッシ。尊敬する記者は高木一成記者。