世界最高峰レース、凱旋門賞(G1、芝2400メートル)は10月6日、仏パリロンシャンで行われる。キーファーズ松島正昭代表(66)は武豊騎手(55)へ、直近4年間の凱旋門賞で3頭目となる騎乗馬を用意した。今回のアルリファー(牡4、J・オブライエン)はクールモアとの共同所有。世界最大の競走馬事業グループに直談判で掛け合い、信頼関係を築き上げた。松島オーナーの思いとは…。ロングインタビューを前編、中編、後編の3回に分けてお届けします。
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【松島正昭オーナーと一問一答=前編】
-共同所有馬アルリファーの前走ベルリン大賞を振り返って
携帯で見ました。よく分かりませんけど強いんでしょうね(笑い)。その前のレース(エクリプスS2着)の方が強かったんやないですかね。(勝ち馬とは斤量が)4・5キロ違いましたから。去年も(ギヨームドルナノ賞でのちの凱旋門賞馬の)エースインパクトに4分の3馬身差。あの後に骨折しましたけど。
-もともと一部を所有していた
クールモアとは仲良しやし、いっぱい持ってます。アルリファーはシンジケートでしたね。(今年7月の)セレクトセールの時に(クールモア幹部)MV・マグナーも来ていてエクリプスS(のレース映像)を見せてきて「この馬、どうですか?」「凱旋門賞へ行きませんか?」と。武ちゃんも一緒に見ていて、その場でMVがジョセフ(オブライエン調教師)に電話しました。「ユタカ・タケでいいか」と。そうしたら向こうはすぐ「OK」。それで交渉に入りました。たまたま(現地時間の)土曜日にエクリプスSがあったから、MVが言いに来たんです。仲良しなので(笑い)。ウートンバセット産駒なので種馬にもなれますし。それから契約書を作って「ベルリン大賞にユタカ・タケは来られないか」とも言われました。それはちょっと無理でしたけど。
-今年の期待のほどは
ドウデュースの時の方が楽しみでしたけどね(笑い)。昔から言ってますけど、僕の夢が凱旋門賞ではないんです。やっぱり昔から友達やから、ディープインパクトの時の話をよく聞いていて、彼は「今でも夢に出る」とか「悔しくて悔しくて仕方ない」と。そうやけど、なかなか乗れるものでもないし…。別に僕の馬ではなくても、武ちゃんが勝つことを見るだけでええから、もし誰か他のオーナーの馬でも応援します。それでもなかなか回ってこないですからね。そういう意味では僕の夢でもあって、彼が勝つところを見たいですけど、少ないチャンスですもんね。もうあと何回乗れるか分からないですし。その点、エイダンやクールモアだったらいいですよね、もう理解してくれていますし。
-近年は毎年のように騎乗馬を用意しようとアクションを起こしている
それしかないですもんね。馬を買ってもなかなか出られないですから。そんな簡単なことではないので。凱旋門賞はもう全部、武ちゃんが広めたみたいなもの。ドウデュースの時が10回目で、ダービーを勝った時も10回目やったから「勝つやろう」と思ったんですが…。そんな甘いもんと違いますからね。
-やはり壁は厚い
日本の競馬もすごいけど、日本馬が勝てそうな気がしないですもんね。フィエールマンやキセキが行った年は、ヴァルトガイストが勝ったと思うんですけど、最後は(日本馬が)もう歩いてましたからね。あれには衝撃を受けました。もうゴール前で歩いてましたからね。しかも後ろから2頭で。衝撃を受けて「これはもうあかんわ」と思いましたね。武ちゃんは「道悪どうこうでなくて強い馬が強い」と言ってますけど、あれは異種格闘技ですね。相撲とレスリングみたいなもの。そんな感じじゃない? 「日本馬は絶対に勝てない」と思いましたね。「ドウデュースならひょっとしたら」と思いましたけど…。なかなか簡単に勝てるものではないと思いますわ。
(中編へつづく)

