坂路2本+プール=一変!? 春G1開幕戦の高松宮記念(芝1200メートル、30日=中京)の最終追い切りが26日、東西トレセンで行われた。
昨年有馬記念1着レガレイラ、3着ダノンデサイルなど好走馬を取り上げてきた調教深掘り企画「追い切りの番人」は今回、大阪本紙の太田尚樹記者が務める。チェックしたのは、香港スプリントで11着と大敗したルガル(牡5、杉山晴)。スプリンターズSを制した昨秋と同じ調教メニューで逆襲を期待できそうだ。
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黒光りする筋肉の塊が坂路を駆け上がってくる。四肢の回転は目にもとまらぬ速さ。抑えるほどの手応えで4ハロン52秒0-11秒8の時計も申し分ない。それでも、ルガルの評価は難しい。かねて杉山晴師も「時計は絶対に出る馬なので、それよりも(大事なのは)中身」と指摘してきた。攻め駆けする馬は、絶好調でなくても速い調教タイムが出る。この日のような軽い馬場ならなおさらだ。
その「中身」を求めて、密度の濃い調教を課してきた。前走の敗因について西村淳騎手は「初めての海外遠征で戸惑いもあって、調整も難しかった」と振り返る。現地には坂路がなく、調整メニューも変えざるをえなかった。今回は2走前と同様に、追い切り日以外は坂路2本とプールを併用してきた。
なぜ、これほどまでの運動量が必要なのか? トレーナーは「この馬にとって、うちのベースの調教(坂路1本)では足りない。スプリンターズSでも(同じ調整で)結果が出ているので」と説明する。破格の身体能力を持つだけに、普通のメニューでは十分な負荷がかからないからだ。
あとは杉山晴師の手応えを聞きたかった。スプリンターズSでは本番7日前の調教にまたがり、顕著な良化を実感したという。先々週に「まだまとまりが戻っていない」と評した今回も、先週23日に自ら手綱をとった。その感触は? 追い切り後の共同会見を終えた指揮官を追って直撃すると「聞かれると思いましたよ」と足を止め、率直なジャッジを教えてくれた。
「ストレートに言えば、スプリンターズSを10とするなら9に近い感じですね。当然、ここからもう1つ上がってくると思うので、少しでも(10に)近づけていければ」
おそらく、偽りのない言葉だろう。合格点だが、まだ満点ではない。これからレースまでの4日間、最多勝厩舎の手腕に注目だ。
<西村淳騎手と一問一答>
-前走を振り返って
ゲートは僕のせいもあるので申し訳ないです。あの子なりに走ってくれました。
-中間の状態は
2週前から追い切りに乗せていただいて、1週ごとに良くなっていて順調です。
-今回の舞台は
左回りは(昨年の高松宮記念では)けがもあっていい成績を残せていないという不安もありますけど、特に問題はないと思います。すごい馬なので、今年はいい結果を出したいです。

