6日に行われた英国ダービーで1番人気馬ベンヴェヌートチェッリーニがレース後に出走取り消しとなった問題について、波紋が広がっている。この問題は10位で入線したベンヴェヌートチェッリーニについて、エプソム競馬場の裁決委員が「公正なスタートを切られなかった」と判断し、発走から20分後に同馬を出走取り消し(ノンランナー)としたもの。馬券の払い戻しに混乱が生じたことや出走取り消しにした裁決の判断が正しかったのかどうか、と物議を醸している。
◇ ◇ ◇
前代未聞の結果となった今年の英ダービー。レーシングポスト電子版は7日、馬券購入の問題に取り組む団体「ホースレーシング・ベッターズ・フォーラム」(HBF)や大手ブックメーカー運営会社の関係者、BHA(英国競馬統括機構)のコメントを紹介した。
HBFのショーン・トリヴァス氏は「馬(ベンヴェヌートチェッリーニ)が出走取り消し(ノンランナー)とみなされるほどの不利を被ったとは考えない、という意見が多く、当日の競馬場の裁決委員の判定には驚きを隠せません。BHA(英国競馬統括機構)が近いうちに何らかの措置を取るかどうかを見守りたい」「今後、今回の件がどのような結果を招くのかを懸念しています。ゲートで立ち上がってスタートに間に合わなかった馬が出走取り消しとされるようになるのか、馬券購入者は疑問に思うだろう」「(今回の英ダービーはゲートに設置されたカメラで様子が確認できたが)すべてのレースのすべてのスタートゲートにカメラが設置され、同じ問題がないか監視されるようになるのでしょうか? 関係者はすべてのレース前にレース戦略を問われるようになるのでしょうか?」「幸いなことに一部のブックメーカーは勝ち馬に賭けた人への控除(1ポンドあたり25ペンスの減額)を拒否し、彼ら(単勝を的中した人)が損をしないように配慮してくれましたが、将来的に悪用される可能性を避けるためには、ルールの微調整が必要になるかもしれません」と意見を述べている。
大手ブックメーカー「ラドブロークス」「コーラル」の親会社であるエンテイン社のサイモン・クレア氏は「これは衝撃的な決定であり、とんでもなくひどい決定です。影響は甚大です。英ダービーは年間最大の賭け金が集まる平地競走であり、ベンヴェヌートチェッリーニは1番人気で、賭け金の3分の1以上がこの馬に投じられていました。(レース後に)出走取り消しにしたことは驚くべきことであり、これまでの常識からかけ離れています」「私たちは『ルール4』(配当の減額)を適用しないことを決定しました。エンテイン社にとっては数十万ポンドの損失です。他のブックメーカーは配当の減額を適用しました」「私たちは非常に幸運で、非常に確立された賭け事の業界にいます。人々はゴールの前に妨害があった場合、結果が覆される可能性があることを知っています。ルールを理解しています。しかし、競馬に賭ける人(馬券を買う人)なら、ゲートでのあの出来事を見て、不運以外の何物でもない、これが競馬だ、と考えるでしょう」「今回の件は直ちに検証されるべきであり、今後についても検証する必要があります。私たちはBHAと協議する予定であり、競馬の顧客(競馬ファン)とともに我々も最大の被害者であることから、その議論に参加できることを期待しています」と語っている。
また、BHAの責任者であるブラント・ダンシー氏は「昨日起こったような事態は誰も望んでいません。このような状況に対処するときに完璧な解決策はありません」とした上で、「英ダービーは、審判員がこのような措置を取った初めてのケースではありません」と過去にも同様の事例があることを説明。「我々がすべきことは、馬券購入者を守ることです。全員を守ることはできませんが、レースに賭けるという行為の根底にある原則は『賭けた金額に見合う公平な機会が与えられるべきだ』ということです」とコメントしている。

