ダート世界最強馬の素顔とは-。フォーエバーヤング(牡5、矢作)が31日(日本時間11月1日早朝)に 米キーンランド競馬場で行われるBCクラシック(G1、ダート2000メートル)で連覇の偉業に挑む。常に同馬に寄り添ってきた渋田康弘助手(64)は、環境の変化に動じない、人好きへの転機となった“ひとりぼっちのシカゴ”を振り返った。【取材・構成=太田尚樹】
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カメラを向けられれば、レンズをのぞき込むようにしてポーズをとる。日本でも、中東でも、米国でも。もはや慣れたものだ。だからフォーエバーヤングは世界中のホースマン、ジャーナリスト、そしてファンの心をつかんでいる。ずっと寄り添ってきた渋田康弘調教助手が目を細める。
「ディープインパクトに匹敵するぐらいのスター性があるんじゃないですか。愛される馬ですよね」
そんな性格には、知られざる転機があった。24年4月のシカゴだ。UAEダービーを制したドバイから、ケンタッキーダービー挑戦のため渡米して、オヘア空港到着後に検疫を受けた。
3歳春の若駒には過酷な環境だった。誰もいない厩舎に1頭だけ。もともと群れで生きる馬にとって“ひとりぼっち”はつらい。
「さみしがってましたね。『人だけでもいてよ』って感じで。僕もずっとは(厩舎に)いられなくて、帰ろうとすると怒るんです。にらんできてね」
たった2日間の経験が、性格を変えたという。
「その後のチャーチルダウンズではたくさんの人が厩舎に入ってきたんですが、すごく喜んでましたね。あれから人が好きになったんだと思います」
すっかり人懐っこくなったダート王は、行く先々で愛嬌を振りまく。日本ではなかなか姿を見てもらえないが、藤田オーナーの希望もあって立ち上げたという公式インスタグラムは4万人以上のフォロワーを集め、遠征先からもファンサービスに努めている。
愛されし王者が、いよいよ集大成の大一番を迎える。BCクラシック連覇を果たしたのはただ1頭ティズナウ(00、01年)だけ。四半世紀ぶりの快挙を達成すれば、ダートの本場米国にディープなインパクトを与えるはずだ。(おわり)

